Advertisement · 728 × 90

Posts by 武内和人/Takeuchi Kazuto

平均すれば、1隻が1日かけて1個の機雷を除去できる程度の処理効率です。最大6か月という予想の根拠となったパラメータやモデルは不明ですが、敷設機雷の推定数だけでなく、掃海能力の制約が影響していると思います。

参考文献
Talmadge, C. (2008). Closing time: Assessing the Iranian threat to the Strait of Hormuz. International Security, 33(1), 82-117.
4/

12 hours ago 4 2 0 0

掃海の困難については、湾岸戦争の事例があります。当時、イラク軍が米軍のクウェート上陸を阻む目的で1000個以上の係維機雷を敷設しました。航路啓開の掃海作業には少なくとも12隻、恐らくは15隻が投入され、3月1日から4月20日まで作業を続けましたが、それでも処理実績は907個と、全体の78.6%にとどまりました。
3/

12 hours ago 5 2 1 0

Talmadge(2008)でも、イランがホルムズ海峡を遮断する際には機雷戦の能力を発揮することは予想されていました。ホルムズ海峡を完全に使用不能にする場合、2000個以上の機雷が必要という推定もありましたが、Talmadgeはより少数の敷設であっても、保険料金を高騰させ、運航を思いとどまらせれば、十分に封鎖の効果は見込めることも指摘していました。
2/

12 hours ago 4 2 1 0
Preview
米国防総省、ホルムズ海峡の閉鎖は「6カ月」に及ぶ可能性 議員らに説明 米国防総省当局者は21日、下院軍事委員会に対し、イランとの戦争終結後、ホルムズ海峡から機雷を完全に除去するには最大6カ月かかる可能性があるとする情報評価について説明を行った。情報筋がCNNに明らかにした。

CNNは先月にもイランがホルムズ海峡を1か月から6か月は封鎖し続ける可能性があるという内部の評価を報じていましたが、これは戦争が終結した後に掃海作業で最大6か月を要するという評価を報じた記事です。
www.cnn.co.jp/usa/35246788...
1/

12 hours ago 7 7 1 0
Preview
Working with Concepts Cambridge Core - Qualitative Research Methods - Working with Concepts

社会科学の研究で使用する概念の定義や操作化に関する方法論的研究です。
研究方法を学んでいる院生の参考になると思います。オープンアクセスです。

Collier, D. (2026). Working with Concepts: Foundational Essays by David Collier, with Research Notes on Innovation in the Field. (Z. Elkins, Ed.). Cambridge: Cambridge University Press.
doi.org/10.1017/9781...

1 day ago 4 1 0 0

この法案に関して与党だけでなく、野党の中道と国民も賛成したことは良いことだったと思いますが、その活動について信頼を得るには適切な広報努力も必要です。この件では不信感を持っている有権者もいることを忘れてはならないと思います。

1 day ago 5 1 0 0
Preview
国家情報局の設置法案、衆院内閣委員会で可決 - 日本経済新聞 衆院内閣委員会は22日、インテリジェンス(情報収集・分析)の司令塔となる「国家情報局」の設置法案を可決した。与党に加え、中道改革連合や国民民主党も賛成した。衆院本会議で23日にも可決し、参院に送付される見通しだ。同法案では首相をトップに官房長官や外相、防衛相らが参加する「国家情報会議」も創設する。インテリジェンスの案件ごとに調査や審議などをして施策をとりまとめる。「国家情報局」は内閣情報調査

戦後、日本の情報コミュニティには内閣情報調査室、警察庁、外務省、公安調査庁、自衛隊がありましたが、2008年以降には財務省、金融庁、経産省、海上保安庁も加わり、全体を調整する機能の必要が高まっていました。
特に経済情報の機能は今後さらに重要になるでしょう。

www.nikkei.com/article/DGXZ...

1 day ago 5 2 1 0
Preview
「際限なき輸出」野党から懸念 国民民主は賛同―武器移転緩和:時事ドットコム 政府が防衛装備移転の制限を緩和して殺傷力のある武器も原則的に他国へ出せるようにしたことに対し、野党から21日、「国会の関与なく政府の裁量で際限なく輸出が行われることは平和国家の根幹を損ないかねない」(中道改革連合の階猛幹事長)などと懸念の表明が相次いだ。国民への説明不足を批判する声も上がった。

防衛装備移転の5類型を廃した件に関して中道、公明、共産が反対するのは従来の立場通りです。装備移転の効果については、移転先の国の政策と戦略で変化するため、国家安全保障会議の審査の妥当性を評価していくことが国会議員の重要な責務だと思います。

www.jiji.com/jc/article?k...

1 day ago 4 1 0 0

「ある君主の頭脳のよしあしを推測するには、まず最初の君主の側近をみればいい。側近が有能で誠実であれば、その君主は聡明だと評価してまちがいない。それは、君主が彼らの実力を見抜ける人であり、彼らに忠誠を守らせているからである」
マキァヴェリ『君主論』池田廉訳、中央公論新社、2018年、192頁

1 day ago 19 14 0 0

2025年のトランプ政権が発足してからウクライナの戦争終結を目指して多くの協議を実施してきましたが、その過程を見ていて、トランプ政権には戦略の立案、実施、評価を補佐する側近の職務遂行には課題が多いと思います。これはトランプが能力ではなく忠誠に基づく人事を行なっている影響ですが、そのような人事は結果的に自分を苦境に追い込んでいると思います。
3/3

1 day ago 27 12 0 0
Advertisement

核の問題では早期の紛争解決が難しいため、航路の安全を確保することに交渉の争点を限定し、航路の安全確保を優先することが望ましいと思いますが、今のところトランプ政権は自分の対イラン戦略を抜本的に組み立て直すそぶりも見せていません。はっきり言えば、彼の戦略には弾力性や適応性がありません。自分が成し遂げたいことを表明するだけで、相手の動きや周囲の反応を見て、従来の方法を切り替えるという戦略の基本ができていません。
2/

1 day ago 23 12 1 1
Preview
トランプ氏、イランとの駆け引き不発 譲歩引き出せず停戦期間延長 - 日本経済新聞 【ワシントン=飛田臨太郎】トランプ米大統領は21日、イランとの停戦期間を延長すると表明した。大規模攻撃をちらつかせて譲歩を迫ってきたが不発に終わった。イラン港湾の封鎖は続けるとしており、原油高を通じた世界経済への悪影響は続く。トランプ氏はSNSに「協議が終了するまで停戦を延長する」と投稿した。これまでは22日が期限としていたが、期限を示さず延長した。「イランは深刻な分裂状態にある」として体制内

2月末にトランプ政権がとった対イラン戦略は軍事的アプローチの強制効果を頼りにしていました。そのため、軍事力でイランを屈服させることができない場合、外交的アプローチでイランに譲歩を迫っても紛争を解決するには決め手に欠けており、それが事態の長期化につながっています。

www.nikkei.com/article/DGXZ...
1/

1 day ago 16 13 1 1

Security, International, 2026, "Supplementary material for Stephen Biddle and John Severini, "Technology, Behavior, and Effectiveness in Naval Warfare: The Battles of Savo Island and Cape Saint George," International Security, Vol. 50, No. 3 (Winter 2025/26), pp. 156–191, doi.org/10.7910/DVN/...

1 day ago 2 0 0 0

補足:戦闘過程における第一次ソロモン海戦で日本軍が米軍に勝利を収めることができたのは、事前に組み立てた夜戦に特化したドクトリンが有効だったためですが、米軍がCICを戦闘艦に設置してレーダー情報を戦術行動に活用できるようになると効果は低減していきました。

補論では、米軍が最初から最適な戦力運用ができた場合を想定した第一次ソロモン海戦の数値シミュレーション分析が行われており、部隊の規模や装備の性能から見て勝利を収める可能性は十分にあったとされています。

1 day ago 4 0 1 0

このような議論に反対する海軍士官はどこの国にもいないと思いますが、その知見が十分に理論として体系化されていないのは重要なリサーチギャップです。この影響の大きさが曖昧なために、米中の軍事バランスに関する議論でも中国海軍の脅威評価が難しくなっています。
近年の中国の政策や戦略には十分に警戒が必要ですが、大規模な海上戦で多くの経験を積んできた米海軍に対抗することは簡単なことではありません。

2 days ago 3 1 1 0
Preview
Technology, Behavior, and Effectiveness in Naval Warfare: The Battles of Savo Island and Cape Saint George Abstract. What explains success and failure in naval warfare? Most political science research on military effectiveness focuses on land combat, often overlooking how behavior shapes outcomes at sea. T...

太平洋戦争の第一次ソロモン海戦とセント・ジョージ岬沖海戦の事例を比較し、特に戦力運用に関する非物質的要因の影響を考察した研究です。 海軍の戦力バランスは艦隊の規模や武装の性能で比較されやすいですが、実際には戦術能力が重要です(戦闘名称を日本側の呼称に準拠して再投稿しています)。

Technology, Behavior, and Effectiveness in Naval Warfare: The Battles of Savo Island and Cape Saint George
doi.org/10.1162/ISEC...

2 days ago 18 8 1 0
Preview
論文紹介 戦略は幻想か? 戦略に対する懐疑論の戦略論における検討|武内和人 戦略は達成すべき政治的目的に応じて軍事的手段の準備と使用を調整する機能があります。戦略理論では、この機能を最もよく発揮するための方策を明らかにするため、さまざまな定式を示してきました。しかし、戦略の理論と現実との間には大きなギャップがあり、戦略理論そのものに対して批判を加える論者もいました。 リチャード・ベッツの「戦略は幻想か(Is Strategy an Illusion?)」(2000年)は...

ベッツの論文は、戦略の予測不能性を認めつつも放棄することを否定した研究です。因果の不明確さ、非合理さ、組織の論理、政治的な妥協によって、戦略の成果は不明確になりますが、継続的な学習を通じて行動をよりよいものにすることが重視されます。
この視点に立てば、「完成された戦略」より「適応可能性が高い戦略」を採ることの価値が高いといえるのではないでしょうか。

論文紹介 戦略は幻想か? 戦略に対する懐疑論の戦略論における検討
note.com/takeuchi_kaz...

4 days ago 9 2 0 0
Advertisement
Preview
いかにして国民国家は普及していったのか?Waves of War(2013)の紹介|武内和人 アンドレアス・ウィマー(Andreas Wimmer)の『戦争の波:近代世界におけるナショナリズム、国家形成、民族的排除(Waves of War: Nationalism, State Formation, and Ethnic Exclusion in the Modern World)』は、国民国家が出現する過程と近代戦の関係を包括的に説明しようとするものです。 国家形成の研究では、以前か...

ナショナリズムの原因として、各国のエリートが民衆を体制に組み入れる必要に迫られた影響が大きいと論じている研究です。国家形成の歴史は各国で異なりますが、これは共通要素を探る試みです。

いかにして国民国家は普及していったのか?Waves of War(2013)の紹介
note.com/takeuchi_kaz...

4 days ago 9 1 0 0

ちなみに、中国からイランへの軍事援助だと海上輸送が考えられますが、米軍の監視網を避けるため、ロシアを中継するルートが考えられます。イラン支援の問題で中国とロシアが連携する可能性には警戒が必要になってくるだろうと思います。

bsky.app/profile/kazu...

1 week ago 2 2 0 0

最近、イランに対する中国の対空ミサイルの支援に関する報道も出ていました。衛星は以前から実施されていた情報支援であり、対空ミサイルの供与はより最近の展開です。

bsky.app/profile/kazu...

1 week ago 2 1 1 0

歴史的に中国とイランは友好関係を維持していますが、米国と正面から対立する事態は避けようとしています。その行動と外交上の立場は区別して理解する必要があると思います。

1 week ago 4 1 1 0
Preview
イラン、米軍基地攻撃に中国偵察衛星を使用=FT 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は15日、イランが中国の偵察衛星をひそかに入手し、中東​各地の米軍基地を標的とする新たな能力を獲得したと、イ‌ラン軍の文書を基に報じた。中国政府はこの報道を否定した。

イランの革命防衛隊は2024年後半から中国企業が打ち上げた衛星TEE─01Bで米軍基地を監視下に置いていたことが伝えられています。FTを引用する形でロイターが報じていますが、中国はこれに対して「捏造」と否定していますが、これまでも中国はイラン情勢に表立った関与を避けています。

jp.reuters.com/world/securi...

1 week ago 10 3 2 0
Preview
Why Populists Love Dead Soldiers and Hate Live Officers Abstract. Right-wing populist leaders often seem to love soldiers (especially fallen ones) and the trappings of military life. But their love affair with the military rarely endures. This article expl...

Why Populists Love Dead Soldiers and Hate Live Officers
( doi.org/10.1162/ISEC... )は、このような政治行動の効果をボルソナロ政権のブラジル、モディ政権のインド、政党法と正義の政権下にあるポーランド、エルドアン政権のトルコ、トランプ政権下の米国の事例で考察しています。

軍隊を政治と切り離して政軍関係の安定を図ることは、国家安全保障のためにも重要な課題です。

1 week ago 20 11 0 0

右派ポピュリストの政治指導者の問題は、国民を支配しながら自身の権力を拡大することであり、独立した専門的軍隊が政治的野望に対する脅威であることを理解しています。

そのため、軍隊の自律性、プロフェッショナリズムを侵食し、能力本位ではなく忠誠を誓う軍人を優遇することが合理的になります。1/

1 week ago 27 10 1 0
Preview
ウクライナ、無人兵器だけでロシアから陣地奪還 歩兵投入せず - 日本経済新聞 【キーウ=共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、無人機と無人戦闘車両だけを使った作戦で、ロシア軍から陣地を奪還したと表明した。歩兵を投入せずにロシア軍部隊を降伏に追い込んだといい、2022年2月のロシアによる侵略後初めてとしている。作戦を実施した日時や場所は不明。ウクライナは多種多様な無人機に加え、地上でも無人戦闘車両の運用を拡大している。武器や物資の補給や偵察、負傷兵の搬送だけでなく

戦い方のライフサイクルはさまざまですが、技術革新が活発になるとウクライナ軍のように戦いながら学べる予算的、人材的な余力を確保することが重要です。
実験的な取り組みに資源を配分する予算や人材を確保できる余裕が将来への適応力を構築します。
www.nikkei.com/article/DGXZ...

1 week ago 10 6 0 0
Preview
米豪・フィリピンが南シナ海で合同軍事演習、今年2回目 中国反発 米国とオーストラリアはフィリピンと共同で、南シナ海で今年2回目となる合​同軍事演習を実施した。同海域では領有権を巡り‌中国との緊張が続いている。

今年も米国、オーストラリア、フィリピンの3カ国で南シナ海における海上防衛をテーマとした演習が実施されます。フィリピンを含めたインド太平洋地域の安全保障協力の強化は「分断して支配する」という中国の戦略アプローチに対抗する上で非常に重要な意味があります。
jp.reuters.com/world/us/7UA...

1 week ago 9 1 1 0
Advertisement
Preview
米・イラン和平交渉が物別れ、バンス氏「イランが米条件拒否」 バンス米副大統領は12日、パキスタンのイ​スラマバードで行われたイランとの和平交渉‌は、21時間に及ぶ協議の末、合意に至らなかったと明らかにした。米代表団はパキスタンを離れると述べた。

事前情報で双方の間にある立場の隔たりが依然として大きいことから、今回の協議で重要な合意が得られる見込みはあまりなかったと私は見ています。
合意の可能性があったとしても、数日ではなく、数か月の交渉が必要だったでしょう。2018年にトランプが離脱したJCPOAは2年かけて構築した合意でした。
jp.reuters.com/world/us/DEE...

1 week ago 23 11 0 1

イランが米・イスラエルの軍事的優位に対抗する非対称戦争を遂行する上で防空システムは重要な意味を持つ装備品です。かつてベトナム戦争でも中国は北ベトナム軍の防空作戦を支援したことがありました。

1 week ago 11 1 1 0
Preview
中国、イランへの肩撃ち対空ミサイル供与を準備か 米諜報 CNN EXCLUSIVE 米国の諜報(ちょうほう)では、中国が数週間以内にイランへ新たな防空システムを供与する準備を進めていることが示されている。最近の情報評価に詳しい関係者3人が明らかにした。

米国はバンス、ウィトコフ、クシュナー、イランはガリバフとアラグチを交渉に送り込んでいますが、イランは交渉開始に先立って凍結資産の開放とレバノンの停戦が履行されることを前提とするなど、有利に交渉を運んでいます。同時に合意失敗も想定し、中国からの武器輸入も準備しています。
www.cnn.co.jp/usa/35246309...

1 week ago 17 4 1 2

ある争点をめぐる各国の交渉行動をモデル化し、シミュレーションで結果を予測する方法については議論があると思いますが、ブエノデメスキータの期待効用モデルは今でも古典的な例として興味深いです。
いずれイラン戦争の事例を用いて、どの程度の妥当性があったのか振り返りたいと思っています。

1 week ago 2 1 0 0