『家路』『家宝』『永遠の語らい』をBlu-rayBOXにて視聴。久しぶりに観たけど、今観て一番ビビッドだったのは『永遠の語らい』かな。絵葉書的にポルトガルからイスタンブールまで遡行し西洋文明の発祥を辿る船旅で、1度目の会食はそれぞれの国の言語で語り合うのに対し、ポルトガル人の親子が加わる2度目の会食は英語を共通言語として語り合う。船首を何度も映すのは『絶望の日』の馬車の車輪のショットを思わせ、ラストの衝撃は『カニバイシュ』にも匹敵する。『家宝』は私が初めて観たオリヴェイラの映画でDVDも持ってて偏愛する作品だけど、Blu-rayだと映像も音も圧倒的に綺麗でしたよ。
Posts by ロゴパグ
アメリカ入国のためにesta申請したのだが、「過去5年使用していたSNSのアカウントを書け」って項目のところで「twitterアカウント名」になっていて笑ってしまった。イーロンよ、政府もいまだにおまえのSNSのことtwitterって呼んでるみたいだけど、どんな気分?
出かけたついでに近くのユニオンに立ち寄ってみたが、イヴァン・リンスのは置いてなかった。先日のライブで最近の友部さんのアルバムをと思いこちらを中古盤で入手して毎日聴き込んでる。「船長坂」は子供も「歩いている〜」と口ずさんでいて良い曲。
『落下音』鑑賞。全編に不穏さが漂っていて、4つの時代の異なる短いエピソードを漫然と観ていると2時間半が経っていた。フォークロア的というか親族や共同体的な狭さによって象徴性が成立していて、ピンホールカメラやぼやけた映像を使ったり、ホラー映画の一歩手前で踏みとどまるような演出、視線の力学など少しあざとさも感じるものの長編2作目とは思えぬ独自の世界観に惹き込まれた。アナ・フォン・ハウスヴォルフの「Stranger」が流れる場面はエモさが際立っており他のエピソードとも雰囲気が異なっていた印象。音響処理がリンチっぽくこだわってるので映画館で観た方が楽しめると思う。
『ひかりのうまの草原にて』vol.7。穂高亜希子/関雅晴/澁谷浩次の御三方がソロで30分、3人の共作による新作6曲披露で30分という構成。穂高亜希子さんは聴き手の心を揺さぶる繊細なボーカルが魅力でギターを爪弾く姿が印象的でした。関雅晴さんはピアノと鍵盤ハーモニカを同時演奏の冒頭からユニークで、朴訥としているようで一筋縄では無い世界観が良かった。澁谷浩次さんは「At Last I Am Free」のカバーから始まったのが驚き。ソロアルバムはワイアットっぽい雰囲気だと感じてて、素晴らしかったです。3人による共作は、タイトルと作詞と作曲をそれぞれ分担されたとのことで、演者が皆さん楽しんでそうでした。
4月下旬に発売予定である海外の某レコードが手違いなのか一昨日に届いており、配信でもまだフルで聴けないアルバムを一足先に聴いてます。内容はとても良いです。
友部正人@スターパインズカフェ。ニューアルバム発売の記念ライブという事。友部さんのアルバムをちゃんとフォローしてたのは2000年頃までなので、本当に久しぶりにライブを観てきた。私が知ってる曲は冒頭とアンコール前の一曲のみで、その他は今回発売のアルバムや最近のアルバムからの曲が中心だったと思うけど、とても良かった。ブギウギ調のテンポ感のある曲を歌い上げたり、「ブルースは元気がないと歌えない」というフレーズが最高な「ブルース」という曲など、友部さんは今も更新される人である事を体感。バンドメンバーも凄い布陣で、何年も一緒に演奏してきた一体感がとにかく見事でした。
あと映画の中に実際の第一次世界大戦のニュース映像をインサートしているのはロメールの『三重スパイ』よりも早かったな。
『青髭』鑑賞。クロード・シャブロルのフィルモグラフィーでもなかなか異質な作品で、脚本は何とフランソワーズ・サガン。男性がシリアル・キラーで女性を殺害していくのは『気のいい女たち』や『肉屋』でもお馴染みだけど、主人公のランドルはユーモラスさのある飄々とした好人物で、これを涼しい顔で撮るシャブロルが一番恐ろしい。次々と女性を追うランドルを捉えた移動ショットは喜劇性に奉仕する形で使われてたり、所々で入るストップモーションが持つ禍々しさ、女性とのカットの後に煙突の煙のショットだけで終わらせる極端な簡略性など歪な実験性から、後半の裁判劇のブラックユーモアと驚きの連続だった。
周云蓬&七尾旅人live in Tokyo@渋谷WWW X。前半は七尾旅人のパートで、ギター1本での弾き語りで既発曲の他に、モンゴメリー・バス・ボイコット事件や経済的徴兵制をテーマにした未発表曲や、王菲や莫西子詩のカバーも歌っていて、世界情勢を憂う緊迫した雰囲気は『911FANTASIA』の頃を思わせる。後半の周云蓬は初めてですが、日本語で歌詞が映像と共に映し出されていたので歌の内容も理解できた。漢詩のように広大な大地の情景を思わせる歌はシンプルな曲調がらも力強さを感じる。ラストの「中国の子供たち」は中国での社会問題をテーマにした反骨精神の溢れる歌で素晴らしかった。
『そして彼女たちは』鑑賞。内容的には『ある子供』を思わせる面もあるけれど、複数の若い母親たちのエピソードが数珠つなぎのように展開される話法はこれまでに無い新しさを感じる。改めて驚かされるのは決定的な場面をカットを割らずにワンカットで見せるフレームの生々しさと運動性で、ドキュメンタリーではないので人物やカメラの動きも厳密にコントロールされた演出であるのが凄い。スクーターでの疾走シーンはいかにもダルデンヌらしいショットでしたね。
『リダンス』鑑賞。ハンガリーのロックバンドのイッレーシュの音楽が軽快に流れる若者の風俗映画の体裁を取りながらも、到底そんな枠には留まらない視点が見どころ。主役のユトゥカが女性として自らの欲望を隠さず行動的な姿や、恋人に対して感情の抑えが効かない気難しさは、メーサーロシュらしい女性像を提示している。アニエス・ヴァルダが称賛したシャワーシーンも素晴らしいけれど、他にも大学のダンスパーティーでの男女のダンスからベランダへ移動して会話し、またダンスに戻るまでの長回しはヤンチョー・ミクローシュほど極端ではないけれど見応えがあるし、ユトゥカが耳に手をバタバタと当てる演出も見事。
『マーティ・シュプリーム』鑑賞。いわゆるライバルとの決戦に焦点を当てたスポ魂映画ではなくて面白かった。サフディらしい脱線につぐ脱線で本筋から逸れまくる展開が爽快であり、グウィネス・パルトロウとかアベル・フェラーラなどの脇役たちの濃さも中々のもの。シャラメがひたすら何かから逃げる映画でもあり、疾走や落下の活劇性が度々見られるのも見どころ。とは言え2時間半は長過ぎるので、詰め込み過ぎのエピソードをもう少しコンパクトにした方が良かったかと。
トッド・ラングレン@NHKホール。思った以上に高音も出るし、ファルセットやダミ声も披露してくれる若々しい姿を観ることができた。エレキギター中心のロックからフルートやサックスなど管楽器も入るお洒落なポップス、70年代らしいSSW的な楽曲、ソウル・ミュージックなど改めてトッド・ラングレンの音楽性の幅広さに驚かされる。『Something / Anything?』から「I Saw the Light」を前半に演奏してくれたり、中盤では12弦ギターを抱えアコースティック中心にガラリと編成を変えたり、後半では『魔法使いは真実のスター』からメドレーを披露してくれたりと満足度の高い構成でした。
オリヴィエ・アサイヤス『クリーン』鑑賞。バウスシアターでの爆音上映以来だけど、マギー・チャンとニック・ノリティがしみじみ良い。前半のロケーションはバンクーバーで、出てくる車やモーテルの感じやニック・ノリティの老夫婦と息子の住む家などを見るとアメリカ映画を撮りたかったのかなと思わせる。エリック・ゴーティエによる動的なショットが素晴らしく、マギー・チャンの不安定な脆さを生々しく捉える。劇中で流れるブライアン・イーノの曲もインスト部分だけなのが過剰にエモーショナルにさせず心地よい。終盤でのオレンジのニット・キャップを被った姿で駅を疾走する場面は『ジャグラー ニューヨーク25時』ばりの見事なショット。
『小川のほとりで』をOttOにてようやく鑑賞。いつものようにミニマルな場面構成で、小川のほとりでスケッチをするキム・ミニの反復や、クォン・ヘヒョとチョ・ユニを加えた3人のテーブルを挟んだフィックスが多くを占める。とはいえ、三股で演劇指導を外された若い男性や、寸劇の打ち上げなどの感情的な場面が挿入されるのは近作の中でも珍しい。暗い夜の校内でキム・ミニと3人の生徒が輪になるショットが特に素晴らしかった。
『ショート・パルス5つの鼓動』鑑賞。『まっすぐな首』は小田香による撮影が素晴らしく、光と影のコントラスト、身体と布地の皺、かさぶたなどが印象的。また歩道橋で安藤サクラが倒れる際の音の鋭さも見事。『ニミックNIMIC』はランティモスらしい不条理な世界であり、『ロブスター』辺りを思い起こさせる。ジョナサン・グレイザーの2つの短編はPVみたいな映像作品だったので割愛。『都市の寓話An Urban Allegory』は子供の視点で捉えた作品で、スマホを片手に目的地へ急ぐ移動から惹き込まれる。怪しげな舞台監督のレオス・カラックスがプラトンの洞窟の比喩を語るところから新たな世界が拓ける展開が素晴らしい。
著者自身による著作解題!
朴 沙羅『日本社会と外国人:入管政策が照らす80年』(中公新書、2026年) - socio-logic.jp socio-logic.jp/pr/2024_Park...
21世紀のゴダール作品を集めた特集上映が開催、「愛の世紀」など長編4本
natalie.mu/eiga/news/664826
#ジャン・リュック・ゴダール
【ラテン音楽入門に大推薦】
現地の関係者によって編纂された『ラテンアメリカの600選』、チリ🇨🇱/アルゼンチン🇦🇷/メキシコ🇲🇽/ペルー🇵🇪/コロンビア🇨🇴/ブラジル🇧🇷/ドミニカ🇩🇴/プエルトリコ🇵🇷/ベネズエラ🇻🇪を始め、1920年~2022年にリリースされた重要作を網羅しております。
www.600discoslatam.com
『女鹿』鑑賞。冒頭から惹きつけられる見事なショットの連続。フレデリックがホワイを誘って自宅の風呂に入れる場面からホワイのシャツの裾を巻き、ズボンのボタンを外すアクションのスリリングさが堪らない。いわゆる三角関係で『めまい』の引用っぽさもあるけど、あくまで女性側の視点で欲望や嫉妬からの狂気が丹念に描かれる。1人取り残されたホワイが光を浴びて歩く移動ショットのただならぬ感じや、室内でのメカニカルなカメラの動きも冴え渡る。ピエール・ジャンセンによるパーティーとかで流れるオルガンジャズもラウンジ系っぽくて◎
初Morc阿佐ヶ谷へ到着。シネマリスでは無くこちらでようやくシャブロル。
イヴォンヌ・レイナー『Film About a Woman Who…』鑑賞。シネエッセイ的な作品で、タイプライターのテクストが画面にかなり割合で表示され、女性と男性のナレーションが挿入される。人物の動きも少なく写真のように静止したショットや反復的で緩慢な動作も多い。性に関する欲望や怒り、嫌悪感が男性や自己に対して向けられ、感情と思考の不定形さを赤裸々に表出するのは今観ても先鋭的。終盤になると雨の中での小走りの細かく編集されたショットだったり、男女の踊りも入ってきてこれまでの重苦しさから微かなポジティブさを感じた。『サイコ』のスチール写真を使った場面もあり。
『ブルームーン』鑑賞。「My Funny Valentine」の作詞家であるロレンツ・ハートの晩年のある1日を描いており、終始痛々しさ全開のほろ苦い作品。ほぼ全編にわたり1つの場所のみで展開されるミニマルさはアルトマンの『わが心のジミー・ディーン』を思わせる。シニカルで嫉妬や下ネタも含む毒舌を吐く個性的なキャラクターから垣間見えるロマンチシズムとか、ロジャース&ハマースタインの成功からのアウェイ感(バーテンダーの言う「エキストラのエキストラは言い得て妙)、階段やクローゼットでの高低差を活かした演出など派手さは無いが見どころは多い。一瞬だけ見える『オクラホマ!』のミュージカルシーンも良かった。
アントニオ・ロウレイロ@WWW。会場にはピアノ1台のみが置かれていたので弾き語りライブなのかとちょっと心配でしたが、完全に杞憂でした。アンコールを含めて2時間弱があっという間だった。Clube da Esquinaからのカバーや、初めてお披露目される新曲もあり、ゲストで参加した角銅真実とのコラボなど、『Aldeia Coração』からだけでなく過去作の演奏も含めてバリエーションに富んだ構成に驚かされた。2度目のアンコールで聴かせてくれた「Aurora」はピアノでの弾き語りだと、まるでイヴァン・リンスの曲みたいで素晴らしかった。
interview Antonio Loureiro - Aldeia Coração:社会、政治、人生、愛、猫を歌った9つの曲
アントニオ・ロウレイロの音楽に含まれるブラジル音楽要素やアルバムに込めたメッセージを聞きました
先住民や黒人の文化へのリスペクト、ボルソナーロ政権のことなど、重要な話をしてくれました
読んでからアルバム聴くと印象変わると思います。ぜひ! note.com/elis_ragina/...
公共の財産に個別に収益性を求めて達成できなければ無価値扱いするって、アホなのかな。まずは文化庁にも多額の税金が投入されてるので、投入されてる金額以上の独自の売り上げがなければ廃止してはどうだろうか。
www.yomiuri.co.jp/national/202...
『オスロ、8月31日』鑑賞。原作がルイ・マルの『鬼火』と同じらしくああいう話でしたが、『鬼火』だとモラトリアム的なロマンチシズムに満ちていたのに対し、厳しい現実と出口の無い虚無感が終始描かれていて中々に重い。『センチメンタル・バリュー』との繋がりはかなり濃厚で、ヨキアム・トリアーの作家性が垣間見えた気がする。例えば、手持ちカメラでの動的な撮影の重視だったりとか音楽の使い方の好みとか。元々DJだったということで冒頭での爆音のa-haとかクラブシーンでのダフト・パンクの使い方や、控え目な劇伴のコントラストはこの頃から一貫しているのがよく分かる。
当時のCMがYouTubeにあった。やっぱり覚えてるのは「みなさんお元気ですか?」の方だな。
youtu.be/rcy_8QkG9to?...