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Posts by びっくりベル

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1 week ago 1 0 0 0
ミルサブから数年後、バンドパロ


日が落ちて数時間経った、夜もこれからという頃。
レストランの窓際で少女が2人向かい合って座っている。
ドリンクバーから取ってきたオレンジジュースのグラスを掲げて、「かんぱーい」とぶつけた。
ファミレスのグラスはプラスチック製らしく鈍い音を立てる。
喉が渇いていたから一気に飲み干した。空のグラスがコトンと机に置かれて、ようやく口を開いた。

「っやばくなかった?!」

勢い任せにそう叫べば、向かいに座った幼馴染が目を細めて笑った。

「やばいでしょ」
「やばい、何あれ、なんかこう音楽の洪水みたいな、頭揺さぶられてた」
「スピーカー近かったからめっちゃ揺れたのもあるけど、今回のセトリ(※セットリスト)ほとんどハイテンポだったからねぇ」
「ワケわかんなかったのに手挙げてるだけで楽しかった、やマジで。わたしも何言ってるか分かんないけど本当に手挙げてノッてるだけで笑えてきちゃってさぁ」
「ライブに興味出た?」
「ってより、今回のバンドの人たちに興味出たかな」
「ほう! お目が高い」
「連れてきたの貴方だけどね」
「教えてしんぜよーう」

胸を張り、コップに口を付けてひと口。コホン。

「今回ライブしてたバンドの名前は流石にもうわかるよね?」
「流石にね、チケットにもステージの後ろにもでかでかと載ってたし。ミルウェイでしょ?」
「ブブー」
「えっ」
「正式名称はGalactic Band in the Milky Way。略してミルウェイ。ミルウェーイとも呼ばれてる」
「名前なっが。ミルウェーイってそんな陽キャ大学生みたいな……」
「陽キャて。チハルが"ウェイってなんかウェーイって感じだよね"って言ったから古参とかは伸ばして読ばれてる。いっちゃえば単なる悪ふざけなんだけどw」
「内輪ノリね。えごめんチハルってだれ?」
「ボーカル2人居たでしょ? 強化人間の方がチハルって名前」
「めっちゃ飛び跳ねてた子か!」
「そ。チハルは音域めっちゃ広くて、ライブで見てた通りダンスパフォーマンスも群抜いてるんだよね」
「かっこいい曲で目ギラギラしてるのが印象的だったから、MCで駄々っ子しててびっくりした」
「あれかわいっしょ! マキナと一緒にいる時は基本あんな感じだけど、実は結構しっかりした社会人なんだよ」

ミルサブから数年後、バンドパロ 日が落ちて数時間経った、夜もこれからという頃。 レストランの窓際で少女が2人向かい合って座っている。 ドリンクバーから取ってきたオレンジジュースのグラスを掲げて、「かんぱーい」とぶつけた。 ファミレスのグラスはプラスチック製らしく鈍い音を立てる。 喉が渇いていたから一気に飲み干した。空のグラスがコトンと机に置かれて、ようやく口を開いた。 「っやばくなかった?!」 勢い任せにそう叫べば、向かいに座った幼馴染が目を細めて笑った。 「やばいでしょ」 「やばい、何あれ、なんかこう音楽の洪水みたいな、頭揺さぶられてた」 「スピーカー近かったからめっちゃ揺れたのもあるけど、今回のセトリ(※セットリスト)ほとんどハイテンポだったからねぇ」 「ワケわかんなかったのに手挙げてるだけで楽しかった、やマジで。わたしも何言ってるか分かんないけど本当に手挙げてノッてるだけで笑えてきちゃってさぁ」 「ライブに興味出た?」 「ってより、今回のバンドの人たちに興味出たかな」 「ほう! お目が高い」 「連れてきたの貴方だけどね」 「教えてしんぜよーう」 胸を張り、コップに口を付けてひと口。コホン。 「今回ライブしてたバンドの名前は流石にもうわかるよね?」 「流石にね、チケットにもステージの後ろにもでかでかと載ってたし。ミルウェイでしょ?」 「ブブー」 「えっ」 「正式名称はGalactic Band in the Milky Way。略してミルウェイ。ミルウェーイとも呼ばれてる」 「名前なっが。ミルウェーイってそんな陽キャ大学生みたいな……」 「陽キャて。チハルが"ウェイってなんかウェーイって感じだよね"って言ったから古参とかは伸ばして読ばれてる。いっちゃえば単なる悪ふざけなんだけどw」 「内輪ノリね。えごめんチハルってだれ?」 「ボーカル2人居たでしょ? 強化人間の方がチハルって名前」 「めっちゃ飛び跳ねてた子か!」 「そ。チハルは音域めっちゃ広くて、ライブで見てた通りダンスパフォーマンスも群抜いてるんだよね」 「かっこいい曲で目ギラギラしてるのが印象的だったから、MCで駄々っ子しててびっくりした」 「あれかわいっしょ! マキナと一緒にいる時は基本あんな感じだけど、実は結構しっかりした社会人なんだよ」

「へぇ〜……マキナって、ボーカルのサイボーグの方?」
「そそ! チハルと一緒にステージ上飛び跳ねながらハモったり叫んだり、曲によってはアコーディオンにハーモニカにシンセサイザー……まぁ、色々やってる」
「サブボーカル兼いろいろって感じなの? わたしバンド詳しくないんだけど、それってもしかして珍しい?」
「まぁ〜珍しい方ではあるね。そもそも6人バンドって時点で珍しいんよね」
「ほーん」

あ、ナポリタン私です。ありがとうございまーす。

「で、あとね、わたしの推しのアカネ。覚えてる? 高身長でギター弾いてた」
「あのギター振り回してた人!?」
「すごいでしょあれ! 相当な力持ちじゃないと出来ない上にあの長髪だからこそのヘドバン本当に良くって、いつもは無表情なんだけど盛り上がってくると不敵そうに笑うのが本当に良いの! 今日はマキナとアイコンタクトしてニヤッて笑ってて本当に死ぬかと思ってさぁ!」
「うわうるさ。ファミレスだよここ」
「ヤベ、すません」

お代わり持ってくるけど何がいい?
コーラ。
うい。

「ギター振り回した時、バンドマンがギター叩き壊す動画思い出したんだけど壊れなくて逆にびっくりしちゃった」
「え流石に壊さないよ。アカネって見た目の割に穏やかだし。いつも使ってるあのギター、カナタとの思い出の品なんだーって言ってたし」
「おだ……やか……?」
「アカネはめっちゃ穏やかだし常識人枠だよ! ちょっと天然なとこはあるけどそれも可愛くて!」
「ハイハイ。カナタって、アカネの近くにいたピアノみたいなやつ弾いてた男の子だよね?」
「そう。ピアノじゃなくてキーボードね」
「全体見ながら色んな音出してるから器用だな〜って思ってた」
「カナタは器用なだけじゃないよ。元々他のメンバーに楽器教えたのカナタらしいし」
「えっそうなの」
「うん。バンドやりたいけどほとんど未経験で、一通り出来るカナタがアカネとカートとマックスに教えた……って話が雑誌に載ってた」
「情報源って雑誌なんだ」
「みーんなSNSやらないからさぁ。公式はあるけどプラベ(プライベート)呟かないし」

「へぇ〜……マキナって、ボーカルのサイボーグの方?」 「そそ! チハルと一緒にステージ上飛び跳ねながらハモったり叫んだり、曲によってはアコーディオンにハーモニカにシンセサイザー……まぁ、色々やってる」 「サブボーカル兼いろいろって感じなの? わたしバンド詳しくないんだけど、それってもしかして珍しい?」 「まぁ〜珍しい方ではあるね。そもそも6人バンドって時点で珍しいんよね」 「ほーん」 あ、ナポリタン私です。ありがとうございまーす。 「で、あとね、わたしの推しのアカネ。覚えてる? 高身長でギター弾いてた」 「あのギター振り回してた人!?」 「すごいでしょあれ! 相当な力持ちじゃないと出来ない上にあの長髪だからこそのヘドバン本当に良くって、いつもは無表情なんだけど盛り上がってくると不敵そうに笑うのが本当に良いの! 今日はマキナとアイコンタクトしてニヤッて笑ってて本当に死ぬかと思ってさぁ!」 「うわうるさ。ファミレスだよここ」 「ヤベ、すません」 お代わり持ってくるけど何がいい? コーラ。 うい。 「ギター振り回した時、バンドマンがギター叩き壊す動画思い出したんだけど壊れなくて逆にびっくりしちゃった」 「え流石に壊さないよ。アカネって見た目の割に穏やかだし。いつも使ってるあのギター、カナタとの思い出の品なんだーって言ってたし」 「おだ……やか……?」 「アカネはめっちゃ穏やかだし常識人枠だよ! ちょっと天然なとこはあるけどそれも可愛くて!」 「ハイハイ。カナタって、アカネの近くにいたピアノみたいなやつ弾いてた男の子だよね?」 「そう。ピアノじゃなくてキーボードね」 「全体見ながら色んな音出してるから器用だな〜って思ってた」 「カナタは器用なだけじゃないよ。元々他のメンバーに楽器教えたのカナタらしいし」 「えっそうなの」 「うん。バンドやりたいけどほとんど未経験で、一通り出来るカナタがアカネとカートとマックスに教えた……って話が雑誌に載ってた」 「情報源って雑誌なんだ」 「みーんなSNSやらないからさぁ。公式はあるけどプラベ(プライベート)呟かないし」

パンケーキ食べたくね?
お腹入る?
半分しよ。
いよん。

「カートとマックスって、どっちがどっち?」
「ベースの……ステージ左側に居たダウナー系がカート。ドラムの金髪がマックスだよ」
「あー、ソロの時ベースすごいなーって思ってた」
「かっこいいよねあれ。ちなみに観客側からは見づらいけどドラムのマックスも中々にヤバいことしてんだよ」
「最中はよくわかんなかったけど、曲始まる前のカッカッカッカッてやつは覚えてる」
「シングルカウントまじテンション上がるよね。カートもマックスもいくら盛り上がっても正確に弾くから良いんだよマジで。盛り上がっちゃってテンポ上がってもちゃんと合わせてくれる柔軟性もあるし」
「すご……え、でもまって、バンドやる前初心者だったんだよね?」
「カナタが一通り教えた次の日にはモノにしてたらしい。サイボーグうんぬんじゃなくて、単純に飲み込み早いんだって」
「へ~……ミルウェイって新めのバンドじゃなかったっけ?」
「初めては路上ライブだから、3年前?」
「会場あんなに人居たのに!?」
「しかも活動が年イチとかなのに」
「やば」
「でしょ」

パンケーキうまそ~!
ホイップ頂戴。
半分だって言ったでしょ!

「っていうか珍しいよね、強化人間とサイボーグがバンド組んでるの」
「正確には純人も居るよ」
「えっ純人いなくなかった?」
「リョーコさんて人がマネージャーやってるらしいんだよね」
「へぇ〜めっずらし。喧嘩起きないのかな」
「仲良いらしいよ?」
「そもそもどこで出会ったんだろ、年齢バラバラだよね」
「さぁ? 全員職業とか謎だからなぁ」
「ふーん……普通じゃない出会い方とかしてそう」
「普通じゃないって?」
「警察署とか?」
「流石にそれはないでしょw」
「だよね」

お腹いっぱーい。
ご馳走様でした~。
またライブ行こ。
いいよん。

パンケーキ食べたくね? お腹入る? 半分しよ。 いよん。 「カートとマックスって、どっちがどっち?」 「ベースの……ステージ左側に居たダウナー系がカート。ドラムの金髪がマックスだよ」 「あー、ソロの時ベースすごいなーって思ってた」 「かっこいいよねあれ。ちなみに観客側からは見づらいけどドラムのマックスも中々にヤバいことしてんだよ」 「最中はよくわかんなかったけど、曲始まる前のカッカッカッカッてやつは覚えてる」 「シングルカウントまじテンション上がるよね。カートもマックスもいくら盛り上がっても正確に弾くから良いんだよマジで。盛り上がっちゃってテンポ上がってもちゃんと合わせてくれる柔軟性もあるし」 「すご……え、でもまって、バンドやる前初心者だったんだよね?」 「カナタが一通り教えた次の日にはモノにしてたらしい。サイボーグうんぬんじゃなくて、単純に飲み込み早いんだって」 「へ~……ミルウェイって新めのバンドじゃなかったっけ?」 「初めては路上ライブだから、3年前?」 「会場あんなに人居たのに!?」 「しかも活動が年イチとかなのに」 「やば」 「でしょ」 パンケーキうまそ~! ホイップ頂戴。 半分だって言ったでしょ! 「っていうか珍しいよね、強化人間とサイボーグがバンド組んでるの」 「正確には純人も居るよ」 「えっ純人いなくなかった?」 「リョーコさんて人がマネージャーやってるらしいんだよね」 「へぇ〜めっずらし。喧嘩起きないのかな」 「仲良いらしいよ?」 「そもそもどこで出会ったんだろ、年齢バラバラだよね」 「さぁ? 全員職業とか謎だからなぁ」 「ふーん……普通じゃない出会い方とかしてそう」 「普通じゃないって?」 「警察署とか?」 「流石にそれはないでしょw」 「だよね」 お腹いっぱーい。 ご馳走様でした~。 またライブ行こ。 いいよん。

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オールキャラのバンドパロ
(📺🦾の人が書いてます)

モブが喋ってるだけ

6ページ

1 week ago 1 0 1 0
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1 month ago 7 1 0 0
そんなのおかしい、理不尽だ。マックスは手元のデバイスから顔を上げ、まるい頭に向かって叫んだ。
「なんで俺だけダメなの!!」
「ウワうるさ」
カートくんの手には菜箸。蕎麦の袋と睨めっこしていたから、多分今日はざる蕎麦だ。
カートのざる蕎麦はその面白さから他とは一線を画してマックスの好物と化している。蕎麦自体はきちんと秒単位で測っているクセに、ツユとわさびが適当なせいで味がいつもランダムだからだ。
中毒性のあるギャンブルみたいに、思わず立ち上がり拍手するほどの大当たりもあれば、吸引口を手で抑え地面に卒倒する日もある。
この間は割合的にツユよりわさびの方が多いつけ汁が完成して、ほとんどツユの存在感が消えわさびの独壇場と化していた。
マックスは徹夜明けに気を緩めたまま緑色のわさび汁を茶と間違えて吸引してしまったものだから、あの後しばらく味覚が死んだ。
でもそんなところもカートはかわいい。
きっとマックスがフラフラしてるのを見てちょっとした刺激(という名の大量のわさび)を与えれば起きると思ったのだ。
ちょっぴり脳筋な考えだけど、マックスを案じた結果その考えになったのなら偉大な数学者をも超えると褒め称えざるを得ない。
いつでもアクセスしていたいまあるい頭は、けれどマックスには扉を開かない。
「ねぇなんで、佐々木は通したってなんで。この間ジェイソンも通してたじゃん、なんで俺はダメなの、鍵ちょうだい、通してよぅ、先っぽだけでいいから、先っぽだけ……」
「先端通したらオマエ全部入れんじゃん」
「当たり前でしょそんなの。俺の思考共有権限は渡したじゃーん」
「ヤダ」
思考共有権限。
機械の身体を操るために脳の一部を機械化したサイボーグには、脳の中身を他人に開示する方法がある。
それは頭脳の記憶分野データへのアクセス方法である非合法情報収集ガジェットだったり、頭脳の思考回路へのアクセス方法である共有権限の譲渡だったりが当てはまる。
前者の有名なガジェットだと「DeLLO」とかが有名だ。しかし後者は忌々しきニューロライツ法によって外部ガジェットによるアクセスが出来ない。
何なら、そういった法律違反の外部ガジェットを絶対に受け付けないようにサイボーグたちは設計されている。
物理的なアプローチをする回路をそもそも組み込まれていないのだ。でないと洗脳でもなんでもやりたい放題だから。
マックスの知る限りでは、星立軍産のサイボーグは法律を遵守していた。
だから、だからマックスがカートの思考回路にアクセスする為には、法律に則りカート本人から共有権限を貰わないといけない。
まぁルールというのはいくらでも穴があるもので、無理やり権限を貰う方法もある。がしかしそれを使う選択肢は存在していない。なぜって既にマックスはやらかしたことがあるからだ。最終通告はもう済まされてしまっている。
「勝手に俺のデータ覗いて信用度が地に落ちてるオマエと、仕事の為に必要だったから共有した佐々木さんとジェイソン。比べるのもおこがましいと思うけど」
「だってぇぇぇ」
わざとらしく泣き真似をしても、かわいい俺のカートは知らんぷり。確かにさ、悪かったと思ってるよ。カートのことが好きって自覚した瞬間頭脳データ覗いたのは俺でも倫理観なさすぎるとは思う。でも仕方ないじゃん好きなんだから、いっぱい謝ったじゃん俺!許してくれて今では恋人じゃん……。
こんなこと言ったら「じゃあ別れる」と言い出しかねないから言えないけど、恋人なんだから共有くらい良いでしょ。おかしいよ他の男は良いのに俺だけダメなの。おかしいったらおかしい。法律変えなきゃ(使命感)
「うし、お蕎麦食う?」
「食う」
あんまりしつこくし過ぎるのも嫌がられる。男、いや漢は黙って理不尽を耐えるのだ。
今日はつけ汁はどうかな、おっ良い感じじゃん。カートも美味しそうに食べてる。わさび汁の一件から先につけ汁を確認することが癖づいてしまったけど、あんまり警戒するものじゃないね。愛しいカートが作ってくれたものなんだから。
一人頬を緩ませながら席に着いた途端、ピコポンと通信が来た。吸引チューブを装着しながら確認すれば、かの忌々しき佐々木からのメッセージだ。
こんな朝っぱらから何だよ殺すぞ、と思いながら中身を見ると──

そんなのおかしい、理不尽だ。マックスは手元のデバイスから顔を上げ、まるい頭に向かって叫んだ。 「なんで俺だけダメなの!!」 「ウワうるさ」 カートくんの手には菜箸。蕎麦の袋と睨めっこしていたから、多分今日はざる蕎麦だ。 カートのざる蕎麦はその面白さから他とは一線を画してマックスの好物と化している。蕎麦自体はきちんと秒単位で測っているクセに、ツユとわさびが適当なせいで味がいつもランダムだからだ。 中毒性のあるギャンブルみたいに、思わず立ち上がり拍手するほどの大当たりもあれば、吸引口を手で抑え地面に卒倒する日もある。 この間は割合的にツユよりわさびの方が多いつけ汁が完成して、ほとんどツユの存在感が消えわさびの独壇場と化していた。 マックスは徹夜明けに気を緩めたまま緑色のわさび汁を茶と間違えて吸引してしまったものだから、あの後しばらく味覚が死んだ。 でもそんなところもカートはかわいい。 きっとマックスがフラフラしてるのを見てちょっとした刺激(という名の大量のわさび)を与えれば起きると思ったのだ。 ちょっぴり脳筋な考えだけど、マックスを案じた結果その考えになったのなら偉大な数学者をも超えると褒め称えざるを得ない。 いつでもアクセスしていたいまあるい頭は、けれどマックスには扉を開かない。 「ねぇなんで、佐々木は通したってなんで。この間ジェイソンも通してたじゃん、なんで俺はダメなの、鍵ちょうだい、通してよぅ、先っぽだけでいいから、先っぽだけ……」 「先端通したらオマエ全部入れんじゃん」 「当たり前でしょそんなの。俺の思考共有権限は渡したじゃーん」 「ヤダ」 思考共有権限。 機械の身体を操るために脳の一部を機械化したサイボーグには、脳の中身を他人に開示する方法がある。 それは頭脳の記憶分野データへのアクセス方法である非合法情報収集ガジェットだったり、頭脳の思考回路へのアクセス方法である共有権限の譲渡だったりが当てはまる。 前者の有名なガジェットだと「DeLLO」とかが有名だ。しかし後者は忌々しきニューロライツ法によって外部ガジェットによるアクセスが出来ない。 何なら、そういった法律違反の外部ガジェットを絶対に受け付けないようにサイボーグたちは設計されている。 物理的なアプローチをする回路をそもそも組み込まれていないのだ。でないと洗脳でもなんでもやりたい放題だから。 マックスの知る限りでは、星立軍産のサイボーグは法律を遵守していた。 だから、だからマックスがカートの思考回路にアクセスする為には、法律に則りカート本人から共有権限を貰わないといけない。 まぁルールというのはいくらでも穴があるもので、無理やり権限を貰う方法もある。がしかしそれを使う選択肢は存在していない。なぜって既にマックスはやらかしたことがあるからだ。最終通告はもう済まされてしまっている。 「勝手に俺のデータ覗いて信用度が地に落ちてるオマエと、仕事の為に必要だったから共有した佐々木さんとジェイソン。比べるのもおこがましいと思うけど」 「だってぇぇぇ」 わざとらしく泣き真似をしても、かわいい俺のカートは知らんぷり。確かにさ、悪かったと思ってるよ。カートのことが好きって自覚した瞬間頭脳データ覗いたのは俺でも倫理観なさすぎるとは思う。でも仕方ないじゃん好きなんだから、いっぱい謝ったじゃん俺!許してくれて今では恋人じゃん……。 こんなこと言ったら「じゃあ別れる」と言い出しかねないから言えないけど、恋人なんだから共有くらい良いでしょ。おかしいよ他の男は良いのに俺だけダメなの。おかしいったらおかしい。法律変えなきゃ(使命感) 「うし、お蕎麦食う?」 「食う」 あんまりしつこくし過ぎるのも嫌がられる。男、いや漢は黙って理不尽を耐えるのだ。 今日はつけ汁はどうかな、おっ良い感じじゃん。カートも美味しそうに食べてる。わさび汁の一件から先につけ汁を確認することが癖づいてしまったけど、あんまり警戒するものじゃないね。愛しいカートが作ってくれたものなんだから。 一人頬を緩ませながら席に着いた途端、ピコポンと通信が来た。吸引チューブを装着しながら確認すれば、かの忌々しき佐々木からのメッセージだ。 こんな朝っぱらから何だよ殺すぞ、と思いながら中身を見ると──

「カートの頭ン中お前で埋まってて情報見にくい。あと頼むから仕事中にいかがわしい事考えるのだけはヤメテって伝えてくんね」
……は、?えっ。はっ?
カートはピコポを持っていない。面倒くさいからマックスがやって、と投げたから。
だから佐々木もマックスに連絡したのだ。
実はマックスがカートの共有権限を貰ってないとは知らずに。カートが、マックスに知られたくないと思っているとは知らずに。
マックスが固まっていると、「どしたん」とカートが顔を覗いてくる。
カートの声にビクッと反応したマックスは「いいいいやなんも、なんもない、まじ、なんもないよ?」とガタガタ震える手でお茶を掴み一気飲みした。
落ち着きたかったからだ。
が、しかし。カートの作るつけ汁は普通のコップで出てくる。
そして今日はわさびが深く沈み、一見お茶に酷似していた。
「…………ッッッッッッッ!?!?!?」
待って、これ、ツユじゃなくて醤油……


後日
「掴んだコップの中身はお茶じゃなくてつけ汁だったし、つけ汁の中身は醤油だった」
そう言われながら殴られた佐々木は、社長に労災申請書を出した。訳のわからない暴力は労災が降りると思ったからだ。
佐々木が丹精込めて書いたソレを、社長は一目見るとビリビリに破いて床に捨てた。
佐々木は泣いた。

「カートの頭ン中お前で埋まってて情報見にくい。あと頼むから仕事中にいかがわしい事考えるのだけはヤメテって伝えてくんね」 ……は、?えっ。はっ? カートはピコポを持っていない。面倒くさいからマックスがやって、と投げたから。 だから佐々木もマックスに連絡したのだ。 実はマックスがカートの共有権限を貰ってないとは知らずに。カートが、マックスに知られたくないと思っているとは知らずに。 マックスが固まっていると、「どしたん」とカートが顔を覗いてくる。 カートの声にビクッと反応したマックスは「いいいいやなんも、なんもない、まじ、なんもないよ?」とガタガタ震える手でお茶を掴み一気飲みした。 落ち着きたかったからだ。 が、しかし。カートの作るつけ汁は普通のコップで出てくる。 そして今日はわさびが深く沈み、一見お茶に酷似していた。 「…………ッッッッッッッ!?!?!?」 待って、これ、ツユじゃなくて醤油…… 後日 「掴んだコップの中身はお茶じゃなくてつけ汁だったし、つけ汁の中身は醤油だった」 そう言われながら殴られた佐々木は、社長に労災申請書を出した。訳のわからない暴力は労災が降りると思ったからだ。 佐々木が丹精込めて書いたソレを、社長は一目見るとビリビリに破いて床に捨てた。 佐々木は泣いた。

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マクカト

サイボーグの機能や法律
  ざる蕎麦はつけ汁が全て
    圧倒的被害者佐々木さん
の小話

1 month ago 12 4 1 0

描いてもらいましためちゃめちゃにハッピー🥳🥳🥳

1 month ago 2 0 0 0

rp>
サンプル上がるのずっと待ってました👏
ダウナーな感じしながらハグしてるのめっちゃ好き
ありがとうこの世、ありがとう愛執さん

1 month ago 0 0 0 0
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春コミのマクカト新刊一冊目のサンプルをこちらにも置いておきます🫳

1 month ago 50 13 1 0

rp>
読んでて楽しい気分になりそうな御本
サンプルの時点でかなり好きなので楽しみ

2 months ago 1 0 0 0
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春コミ新刊サンプル(1/2)です。
マクカトwithチハちゃんマキちゃんのギャグ漫画です。
全然全年齢ですが「抱く」「抱かれる」の表現は入ってます。

2 months ago 88 18 1 1

rp>
快楽に素直な2人がひたすらえっちでした💕 📺の優しい声に溶かされていく🦾が最高ですありがとうございます💓🙏

3 months ago 1 0 0 0
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[R-18] #マクカト ぐちゃぐちゃフレンド - やゆよの小説 - pixiv いつも気持ちよくなれる薬を飲んでからヤってたセフレのマクカトが、初めて薬なしの素面セックスをする話。回想というか前置きで違法薬物を吸ってしまったマックスがちょっとおかしくなる描写があるので苦手な方は注意。♡喘ぎ・濁点喘ぎ、連続絶頂などの要素もあります。 素敵な表紙お借りしました

マクカト🔞
いつも気持ちよくなれるお薬を飲んでからやることやってたセ友のマクカトが、初めて薬なしの素面でする話
www.pixiv.net/novel/show.p...

3 months ago 17 7 0 0

ボディピアス描いてくれました‼️‼️‼️

3 months ago 0 0 0 0
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🎀ピアス🦾

3 months ago 30 5 0 0

画像の添付を忘れていた為再投稿しています
rtいいねありがとうございました❣️

3 months ago 1 0 0 0
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[R-18] リバース♡ピアッシング | 驚きの非行

冒頭のみ下記画像で読めます

⚠️なんでも大丈夫な方向け‼️
全文すけべしてるマクカトです

www.pixiv.net/novel/show.p...

3 months ago 20 4 0 1
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酒屋にて / 📺🦾

全年齢 1.4万文字 もろもろ捏造

居酒屋でマクカトと名前ありモブが喋ってる
飲み比べが書きたかったが途中で力尽きた形跡が見られる

poipiku.com/12799526/125...

3 months ago 9 2 0 0
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驚きの非行 字を書きます ハッピーエンドが好きです おもしれ〜ギャグを書きたいです すけべも好きです 何かありましたらお気軽にメッセージまでどうぞ

驚きの非行と申します
読み辛いのでどうぞお気軽に ベル とお呼びください
小さな金属球を内包し、共鳴によって軽快な音を発する小型打楽器です
びっくりします
現在は主にマクカトを文字に書き起こしています
交流を求めてSNSに旅立ちました
話し掛けてくれたら喜びます
面白がってください

pixiv ▷ www.pixiv.net/users/78116016
マシュマロ ▷ marshmallow-qa.com/7dhjijtmuh4h...
ポイピク ▷ poipiku.com/12799526/125...
X ▷ x.com/verybellll?s...

3 months ago 6 0 0 0