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Posts by しましま

うわ〜!!ありがとうございます!!!ちゃんとイベントに本がありますように…(祈祷)

1 year ago 0 0 0 0

何もかもちゃんと出来てるか不安だよ〜!出来てる!出来てます!!(言霊)

1 year ago 3 0 1 0

臨時注文受付で送ったけどできてるのかあんまりわからなくて怖いよ〜!!!やっぱり別のところにお願いした方がよかったのかな!?でももう送っちゃったしな!?

1 year ago 2 0 0 0

入稿出来たのかなぁ!!?!??(怯)

1 year ago 0 0 0 0

原稿がやばやばのやばなのに友達に勧められて作業用として流したブルロを見てほう…ngro…ってなっちゃって時間を取られています 私を殴ってください

1 year ago 2 0 0 0

明日から!明日からほんとに!!原稿がんばる!!!!!!!!!!

1 year ago 3 0 0 0
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原稿終わってないのにケンティーのライブに行っていました 今世紀最高アイドル…😭

1 year ago 3 0 0 0
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連休もあるから大丈夫!って思っていたのに連休全然原稿が進んでいません!!!!!!!!私ってやつは!!!!

1 year ago 0 0 0 0

あまりにも体力雑魚だから最近ちょっとだけ筋トレしてるけどキツすぎて動画にキレながらやってる

1 year ago 0 0 0 0

再来週アイドル神ケンティーのライブに行ってちょっと正気を飛ばす予定なのでそれまでに原稿を形になるくらいまでに持っていきたいよ〜

1 year ago 3 0 0 0

ALFEEのギターってイーブイみたいに持ち主によって進化したりしてこうなってるのかなとか思わされる

1 year ago 0 0 0 0

ちょっと年末親知らずがえらいことになって何も出来なかったんですけど年明け絶対めっちゃ原稿頑張るから2025年は私がスットンストーンしてたら怒鳴りつけて欲しいですよろしくお願いします

1 year ago 6 0 0 0

今年は轟爆初めて書けて反応もらえたりして恵まれすぎてる…の年でした!来年本出す頑張る〜!!!!!

1 year ago 4 0 0 0

北海道に来る方におすすめしたいお土産個人的第1位は六花亭の大平原です 大きいのも良いけど一口サイズのも良い

1 year ago 1 0 0 0
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大平原がおいしい

1 year ago 1 0 0 0

今日のお昼会社で貰ったお歳暮おすそ分け祭りで済ましてる カロリーは足りてる多分

1 year ago 1 0 1 0

海に眠るダイヤモンドの最終回を見て尋常じゃなく泣いている 人生の全部が報われることはないけど直接何かを繋げなくてもそれでも巡り巡って誰かの心に残り続けるものって生まれるんだな…鉄平…

1 year ago 2 0 0 0

うわー!AYさんありがとうございます!頑張ります…!!!👊🏻💖

1 year ago 1 0 0 0

嬉しいですありがとうございます〜😭🫶🫶🫶 先日のイベントバッタバタでご挨拶したい方回りきれなかったのでとても心残りです…!ヒナキさん2月ご参加の予定ありましたらぜひご挨拶させてください〜!

1 year ago 0 0 1 0

ありがとうございます頑張ります〜!!!先日勝手がわからずさまよってたのでぜひ2月ご挨拶させてください…!😭💓

1 year ago 1 0 0 0

出せるのか…?私に本が…………?

1 year ago 13 0 3 0

イベントってすごかったな〜 みんな私と同じものが好きな人なんだ〜!って目に見えるのハッピー空間だった

1 year ago 1 0 0 0
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コミュ障ネガ人間だからオタク丸出し挨拶したりビビってご挨拶できなかったりしたことしばらくシャワーの最中思い出してぐわー!ってしたりすると思う 皆さんありがとうございました失礼しました…お目汚ししたかもだけど楽しかったです…楽しかったほんとに…

1 year ago 0 0 0 0

イベント行くの既にドキドキしてるんだけど今日の夜ちゃんと寝れるかなぁ!!!?!!???

1 year ago 3 0 0 0

おけんとさま家に来たら轟爆と並べちゃお!ってひとりウキウキしてます😌
(うわーーっ!ありがとうございます!!🍰くん💥ちゃんの事を頼む!!!!って気持ちの勢いで出力しちゃいました🥰)

1 year ago 1 0 0 0

そうなんです〜💓とっても楽しみなのですが当日グッズ買いたかったら「永久の縛りをひとつ…」とか口頭で言うの!?って震えています…笑

1 year ago 0 0 1 0

公式で売ってる小さい写真を自分で入れ替えて光らせられるらしくて愉快なグッズだな…と思ってます!おすすめです!🥰笑

1 year ago 0 0 0 0

全部で9枚と書いてしまった…12の間違いです…

1 year ago 2 0 0 0
「最近わかったんだ。好きなことに関わりがちょっとでもあるならそこをとっかかりにすりゃいい」
「好きにしろっつの。もう帰れ」
「だから爆豪、俺と一緒にお椀と箸作りに行こう」
「なんでだよ!」

 轟は穏やかに笑ったままスマホで体験教室のサイトを操作していく。石川の塗り物が体験できる場所が近所にでもあるのかと思ったら、所在地はしっかりと石川県の本店だ。おい関東に支店もあるって書いてんだろ。なんでわざわざそっちなんだ。

「俺の申し込んだ時間、空きあるから大丈夫だな。申し込んでおく。二人一緒でお願いしますってのは明日営業時間になってから電話で伝えておくな。丁度1か月後だ、あけておいてくれ。レンタカーで行く予定だったんだけどお前車買ったんだよな。それでいいか?運転は交代できるから」
「おい待てさっさと進めんな止まれや!」
「お前には無理か?」
「無理じゃねえ!」

 反射で答えたが、撤回するにはもう遅かった。轟はさっさと必要情報を入力して送信してしまっていたし、勝手にペンを手にしてカレンダーに丸を付けようとしている。ふざけんなせめて綺麗な丸を書け、なんだその歪でバカでかい楕円は。

「お前その癖そろそろ直さねぇと困るんじゃねえか」
「困って、ねぇわ……!」
「困んねぇのか。よかった」

 二重三重に日付に丸を付けられてぐぅ、と喉の奥で唸ると、轟は声をあげて笑った。大人になるにつれて

「最近わかったんだ。好きなことに関わりがちょっとでもあるならそこをとっかかりにすりゃいい」 「好きにしろっつの。もう帰れ」 「だから爆豪、俺と一緒にお椀と箸作りに行こう」 「なんでだよ!」  轟は穏やかに笑ったままスマホで体験教室のサイトを操作していく。石川の塗り物が体験できる場所が近所にでもあるのかと思ったら、所在地はしっかりと石川県の本店だ。おい関東に支店もあるって書いてんだろ。なんでわざわざそっちなんだ。 「俺の申し込んだ時間、空きあるから大丈夫だな。申し込んでおく。二人一緒でお願いしますってのは明日営業時間になってから電話で伝えておくな。丁度1か月後だ、あけておいてくれ。レンタカーで行く予定だったんだけどお前車買ったんだよな。それでいいか?運転は交代できるから」 「おい待てさっさと進めんな止まれや!」 「お前には無理か?」 「無理じゃねえ!」  反射で答えたが、撤回するにはもう遅かった。轟はさっさと必要情報を入力して送信してしまっていたし、勝手にペンを手にしてカレンダーに丸を付けようとしている。ふざけんなせめて綺麗な丸を書け、なんだその歪でバカでかい楕円は。 「お前その癖そろそろ直さねぇと困るんじゃねえか」 「困って、ねぇわ……!」 「困んねぇのか。よかった」  二重三重に日付に丸を付けられてぐぅ、と喉の奥で唸ると、轟は声をあげて笑った。大人になるにつれて

こいつの表情は本当に豊かになった。屈託なく笑うその顔はまぁ悪くはないんじゃないかと思う。状況が状況なので今は腹が立つけれど。
 
「俺は食うことが好きだって思ったから、器も好きになったらもっと楽しいだろうなって思った。その前は、クラスのやつが好きだから皆が好きなもん好きになれたらいいなって。それでいっぱい漫画借りたりして、いろんなもん読むのが好きになった。こないだも本屋でお前これ読んでたなって思い出したから買ったんだ。そうやって好きなもんの端から広げていくともっといろんな場所に行ける気がする」
「あっそ」
「だからお前は俺に付き合ってくれ」
「だからなんでだよ!」
「興味持つ物を改めて見つけるのって難しいだろ?好きな奴の好きなもんって思うと楽しいぞ」
「なんでてめぇは俺に好かれてることが前提なんだよ……」

 轟と話すと気が抜ける。この異様なポジティブと押しの強さはなにをどうしたら仕上がったのか。一瞬考えて、原因はすぐに思い至った。A組だ。あいつらの人の良さと根っから轟を受け入れる姿勢が轟をここまで前向きに育てた。俺は関係ない。俺以外が責任を取れ。
 ため息を吐くと、轟はほんの少し首をかしげて、納得したように頷く。

「じゃあ、緑谷の好きなものとして考えてくれ。緑谷が好きな俺の好きなことを一緒にやろう」
「だから何なんだよお前は……!」

 いよいよ宇宙人か何かと話している気がしてきた。

こいつの表情は本当に豊かになった。屈託なく笑うその顔はまぁ悪くはないんじゃないかと思う。状況が状況なので今は腹が立つけれど。   「俺は食うことが好きだって思ったから、器も好きになったらもっと楽しいだろうなって思った。その前は、クラスのやつが好きだから皆が好きなもん好きになれたらいいなって。それでいっぱい漫画借りたりして、いろんなもん読むのが好きになった。こないだも本屋でお前これ読んでたなって思い出したから買ったんだ。そうやって好きなもんの端から広げていくともっといろんな場所に行ける気がする」 「あっそ」 「だからお前は俺に付き合ってくれ」 「だからなんでだよ!」 「興味持つ物を改めて見つけるのって難しいだろ?好きな奴の好きなもんって思うと楽しいぞ」 「なんでてめぇは俺に好かれてることが前提なんだよ……」  轟と話すと気が抜ける。この異様なポジティブと押しの強さはなにをどうしたら仕上がったのか。一瞬考えて、原因はすぐに思い至った。A組だ。あいつらの人の良さと根っから轟を受け入れる姿勢が轟をここまで前向きに育てた。俺は関係ない。俺以外が責任を取れ。  ため息を吐くと、轟はほんの少し首をかしげて、納得したように頷く。 「じゃあ、緑谷の好きなものとして考えてくれ。緑谷が好きな俺の好きなことを一緒にやろう」 「だから何なんだよお前は……!」  いよいよ宇宙人か何かと話している気がしてきた。

もういいから帰れ、箸は作ってやるから帰れ。時計を示して足元を蹴り飛ばすと、轟は案外素直に立ち上がった。

「お前の意思は強くてすげぇよ。ずっとそう思ってた。自分の決めた場所だけを見てるのもかっこいいと思うし、それで満足してるのも知ってる。お前とヒーローとして一緒に戦えるのも好きだ。でもきっともっと違う場所でも一緒にいれると思う」
「……なんでんなことしなきゃなんねぇんだよ、俺が」
「いいじゃねえか、せっかくヒーローが暇な世界が近づいてきたんだ。一緒に暇つぶしも見つけよう」

 じゃあな、エッジショットによろしくな。そう言って轟はさっさと帰っていった。時間は30分オーバー。1時間半でなんだか随分疲れたけれど、あの得体のしれない喪失感は薄れていた。カレンダーをめくってぐるぐると荒く書かれた楕円を見る。何がお椀だ。どうせこの丸みたいにひしゃげた出来になるに決まっている。

 爆豪の目標は幼い頃からずっとずっと同じ。オールマイトを超えるヒーローになること。この先もそうだ。他のものなんて必要ないし余計なものをもって目標達成なんてできるわけがないと思っていた。しかし幸か不幸か、世界は変わった。
 たった一つの象徴はもはや存在しない。誰でもヒーローになれる。ほんの少し手を差し伸べるだけで、手を取るだけで、誰もが誰かを救うことができる。そうやって、ヒーローは暇になる。そうやって、オールマイトを超えるヒーローたちは生まれていく。目標達成のために暇が増えることはもはや避けようのない事実だった。

もういいから帰れ、箸は作ってやるから帰れ。時計を示して足元を蹴り飛ばすと、轟は案外素直に立ち上がった。 「お前の意思は強くてすげぇよ。ずっとそう思ってた。自分の決めた場所だけを見てるのもかっこいいと思うし、それで満足してるのも知ってる。お前とヒーローとして一緒に戦えるのも好きだ。でもきっともっと違う場所でも一緒にいれると思う」 「……なんでんなことしなきゃなんねぇんだよ、俺が」 「いいじゃねえか、せっかくヒーローが暇な世界が近づいてきたんだ。一緒に暇つぶしも見つけよう」  じゃあな、エッジショットによろしくな。そう言って轟はさっさと帰っていった。時間は30分オーバー。1時間半でなんだか随分疲れたけれど、あの得体のしれない喪失感は薄れていた。カレンダーをめくってぐるぐると荒く書かれた楕円を見る。何がお椀だ。どうせこの丸みたいにひしゃげた出来になるに決まっている。  爆豪の目標は幼い頃からずっとずっと同じ。オールマイトを超えるヒーローになること。この先もそうだ。他のものなんて必要ないし余計なものをもって目標達成なんてできるわけがないと思っていた。しかし幸か不幸か、世界は変わった。  たった一つの象徴はもはや存在しない。誰でもヒーローになれる。ほんの少し手を差し伸べるだけで、手を取るだけで、誰もが誰かを救うことができる。そうやって、ヒーローは暇になる。そうやって、オールマイトを超えるヒーローたちは生まれていく。目標達成のために暇が増えることはもはや避けようのない事実だった。

 轟に一言メッセージを送る。『てめぇは絶対運転席には座らせねぇ』と念を押した。既読がすぐについたが、返信が来る前にアプリを閉じてアラームをかけた。明日は早い。小さな安堵と小さな喪失は眠気の波にのまれて攫われていった。朝日が昇れば、また新しい世界が始まる。

 轟に一言メッセージを送る。『てめぇは絶対運転席には座らせねぇ』と念を押した。既読がすぐについたが、返信が来る前にアプリを閉じてアラームをかけた。明日は早い。小さな安堵と小さな喪失は眠気の波にのまれて攫われていった。朝日が昇れば、また新しい世界が始まる。

(9/9)

1 year ago 0 0 0 0
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とこマジで嫌い」
「おお、ありがとな」
「嫌いだっつってんだろ」

 爆豪は諦めて先程開けたビールを煽った。本当に嫌いだ。観察眼が鋭くて感情の動きに聡い癖に、持ち前の鈍さで人の内側に踏み込むことを躊躇わないところが。悪態をついていれば大抵の奴は何も気づかないまま踏み込んでこないし、気がつく奴はこちらの思考を邪魔することに遠慮して無理には手を伸ばしてこない。
 こういう奴が、こういう、幼馴染に似たような奴が、爆豪にとって一番やりづらい。

「22時までだからな」
「あと45分か。早く話してくれ」
「てめぇな……気使ってんのか使えねぇのかどっちかにしろっつってんだよ」
「あの時言ってたあれか?緑谷がお前の事務所のサイドキック蹴ったやつ」
「蹴られてねぇ」
「まぁ、緑谷ならお前が誘ったらそっち選ぶと思うよな」
「……思わねぇよ」

 思わない。出久が爆豪のサイドキックを選ぶだろうだなんてこれっぽっちも思っていなかった。この8年、形を変えてもヒーローとしての意思はそのままに、誇りをもって教師を選んだ出久を知っている。それに、そうでなくとも出久が爆豪の隣を自分で選ぶだなんてあり得なかった。

「誘ってなんか、ねぇんだよ。勝手に切島がそうだろうっつっただけで」
「うん」

とこマジで嫌い」 「おお、ありがとな」 「嫌いだっつってんだろ」  爆豪は諦めて先程開けたビールを煽った。本当に嫌いだ。観察眼が鋭くて感情の動きに聡い癖に、持ち前の鈍さで人の内側に踏み込むことを躊躇わないところが。悪態をついていれば大抵の奴は何も気づかないまま踏み込んでこないし、気がつく奴はこちらの思考を邪魔することに遠慮して無理には手を伸ばしてこない。  こういう奴が、こういう、幼馴染に似たような奴が、爆豪にとって一番やりづらい。 「22時までだからな」 「あと45分か。早く話してくれ」 「てめぇな……気使ってんのか使えねぇのかどっちかにしろっつってんだよ」 「あの時言ってたあれか?緑谷がお前の事務所のサイドキック蹴ったやつ」 「蹴られてねぇ」 「まぁ、緑谷ならお前が誘ったらそっち選ぶと思うよな」 「……思わねぇよ」  思わない。出久が爆豪のサイドキックを選ぶだろうだなんてこれっぽっちも思っていなかった。この8年、形を変えてもヒーローとしての意思はそのままに、誇りをもって教師を選んだ出久を知っている。それに、そうでなくとも出久が爆豪の隣を自分で選ぶだなんてあり得なかった。 「誘ってなんか、ねぇんだよ。勝手に切島がそうだろうっつっただけで」 「うん」

「誘ったって断られるだろうってのはわかってたし、だから別に誘う気もなかった。一応このまま教職メインでやってくのかって聞いただけだわ。結局どうでもいいんだよあいつがどこにいようが。あいつがヒーローやりたきゃできて、先生やりたいならできて、なんも取り零さないでいれんならそれは俺の勝ちだ」
「うん」
「だから今なんも不満は、ない。なんにもなくしてない」

 なくしていない。なのに、なくなった気がする。ビールの缶は気がつくと随分軽くなっていて、これが空になったら轟のことを追い返さなくてはと思った。それにしてもこいつといると無駄な時間が多い。結局、どうして、なにが胸に穴をあけているのかが見当もつかなかった。

「お前はすげぇな」
「あ?」
「学生の時からずっと、自分の目標地点を決めててよそ見しねぇだろ」
「ったりめーだろが」
「でもたまに、よそ見することもあってもいいんだ。俺がそういうの気がついたのも最近のことだけど」
「……俺には必要ねぇ。お前みたいによそ見する選択肢すらなかったわけでもない。俺が、選んで、決めてんだよわかったか」
「でも、よそ見しないと寂しいだろ。お前がずっと見ていた道の先の緑谷がちょっと違う道に行っちまったから」

 何が来ても打ち落とす気でいたのに、うっかり言葉に詰まった。
 爆豪は、自分が決めて自分の意思でできることしか

「誘ったって断られるだろうってのはわかってたし、だから別に誘う気もなかった。一応このまま教職メインでやってくのかって聞いただけだわ。結局どうでもいいんだよあいつがどこにいようが。あいつがヒーローやりたきゃできて、先生やりたいならできて、なんも取り零さないでいれんならそれは俺の勝ちだ」 「うん」 「だから今なんも不満は、ない。なんにもなくしてない」  なくしていない。なのに、なくなった気がする。ビールの缶は気がつくと随分軽くなっていて、これが空になったら轟のことを追い返さなくてはと思った。それにしてもこいつといると無駄な時間が多い。結局、どうして、なにが胸に穴をあけているのかが見当もつかなかった。 「お前はすげぇな」 「あ?」 「学生の時からずっと、自分の目標地点を決めててよそ見しねぇだろ」 「ったりめーだろが」 「でもたまに、よそ見することもあってもいいんだ。俺がそういうの気がついたのも最近のことだけど」 「……俺には必要ねぇ。お前みたいによそ見する選択肢すらなかったわけでもない。俺が、選んで、決めてんだよわかったか」 「でも、よそ見しないと寂しいだろ。お前がずっと見ていた道の先の緑谷がちょっと違う道に行っちまったから」  何が来ても打ち落とす気でいたのに、うっかり言葉に詰まった。  爆豪は、自分が決めて自分の意思でできることしか

望まない。それはオールマイトに自分が選ばれず出久が選ばれたと知った時から顕著になった。だって他人の意思は変えられない。自分にできることをして、その上で結果を他人に任せて選ばれないことは、爆豪にはどうしようもできない。自分以外の意思から結果に干渉させる要素は自分の望みとは言い切れないと、思った。だから今の今までずっとそうだった。そうしてきたつもりだったのに。
 いつの間にか爆豪は出久を自分の望みの上に置いていた。そこにあるものだと思っていた。だって、物心ついた時にはずっとそこにいた。爆豪の根に出久はいて、出久の根にも爆豪はいる。それはこれまでどれだけ嫌だと思ってもこびりついて離れない事実だった。
 出久に向けていた畏怖と嫌悪、後悔。出久がこちらに向けていたぎらついた目。全部、嫌いなものだった。それらが今綺麗に洗い流されたような、流れてしまったような気がしている。少しの安堵と、どこまでも大きな喪失がそこにあった。
 
 多分、一つの世界が終わった。俺と出久の世界だった。
 最悪で、歪で、出久を傷つけて爆豪を追い込む狭い世界。ろくでもないものだったけど、確かにこれまでの自分を形成してきたものだった。大きな目標に向かってひた走る道に、絶対に隣で走る相手がいることは恐怖でもあり喜びでもあった。得難いものだった。それを失ったのは自分のせいではないけれど、多分、取り戻せないのは自分のせいでもある。初めて本当に一人になった、と思った。

「……クソ、最悪だ。勝手に人に入り込んで勝手にいなくなりやがって」
「緑谷ってそういうとこあるよな」
「わかったような口きいてんじゃねえ」

望まない。それはオールマイトに自分が選ばれず出久が選ばれたと知った時から顕著になった。だって他人の意思は変えられない。自分にできることをして、その上で結果を他人に任せて選ばれないことは、爆豪にはどうしようもできない。自分以外の意思から結果に干渉させる要素は自分の望みとは言い切れないと、思った。だから今の今までずっとそうだった。そうしてきたつもりだったのに。  いつの間にか爆豪は出久を自分の望みの上に置いていた。そこにあるものだと思っていた。だって、物心ついた時にはずっとそこにいた。爆豪の根に出久はいて、出久の根にも爆豪はいる。それはこれまでどれだけ嫌だと思ってもこびりついて離れない事実だった。  出久に向けていた畏怖と嫌悪、後悔。出久がこちらに向けていたぎらついた目。全部、嫌いなものだった。それらが今綺麗に洗い流されたような、流れてしまったような気がしている。少しの安堵と、どこまでも大きな喪失がそこにあった。    多分、一つの世界が終わった。俺と出久の世界だった。  最悪で、歪で、出久を傷つけて爆豪を追い込む狭い世界。ろくでもないものだったけど、確かにこれまでの自分を形成してきたものだった。大きな目標に向かってひた走る道に、絶対に隣で走る相手がいることは恐怖でもあり喜びでもあった。得難いものだった。それを失ったのは自分のせいではないけれど、多分、取り戻せないのは自分のせいでもある。初めて本当に一人になった、と思った。 「……クソ、最悪だ。勝手に人に入り込んで勝手にいなくなりやがって」 「緑谷ってそういうとこあるよな」 「わかったような口きいてんじゃねえ」

 テーブルに叩きつけた缶は高い音を立ててひしゃげた。中身はすっかり空だ。時計の針は22時を10分は過ぎている。それでもまだ、立ち上がる気にも追い返す気にもなれなかった。

「お前が寂しそうだって言ったけど、俺も寂しかった」
「てめぇが甘ったれてんのはいつものことだろ。ことあるごとに集まりたがりやがって」
「いや、なんかちげぇ。今日はなんでもない日、違うな。祝い事のめでたい日で、嬉しくて、皆でこれからだなって笑ったのになんかが終わった気がしたんだ。体が軽くなったような気もするしやっぱり俺も寂しい気もする」

 そう言いながら笑う轟の顔は寂しい、よりも清々しさのようなものが強い気がした。こいつもまた、きっとこれまでと違う場所にいる。
 轟がヒーローで、「なりたい自分」であろうとすることを、憧れて選んだ。とはいえ他の道を選ぶ余地がなかったこともやはり事実だろう。今、かつては見ることもできなかった選択肢が轟の前に広がっているのならばそれはこいつの世界が優しく回っているということだ。
 爆豪がずっと幼い頃、様々なトロフィーを抱えながらも「最後に必ず勝つヒーロー」への道だけを選んだように、轟はこれから多くの道を見て自分の居場所を選ぶのだ。ヒーローの軸と、それ以外の自分。きっと轟ならどこにだって見つけられるだろう。

「まぁせいぜいわき見でもよそ見でもして好きなとこ行けや」
「そうだな。新しいもんに興味持つのって意外と難しいんだ。コツがいる気がする」
「あっそ」

 テーブルに叩きつけた缶は高い音を立ててひしゃげた。中身はすっかり空だ。時計の針は22時を10分は過ぎている。それでもまだ、立ち上がる気にも追い返す気にもなれなかった。 「お前が寂しそうだって言ったけど、俺も寂しかった」 「てめぇが甘ったれてんのはいつものことだろ。ことあるごとに集まりたがりやがって」 「いや、なんかちげぇ。今日はなんでもない日、違うな。祝い事のめでたい日で、嬉しくて、皆でこれからだなって笑ったのになんかが終わった気がしたんだ。体が軽くなったような気もするしやっぱり俺も寂しい気もする」  そう言いながら笑う轟の顔は寂しい、よりも清々しさのようなものが強い気がした。こいつもまた、きっとこれまでと違う場所にいる。  轟がヒーローで、「なりたい自分」であろうとすることを、憧れて選んだ。とはいえ他の道を選ぶ余地がなかったこともやはり事実だろう。今、かつては見ることもできなかった選択肢が轟の前に広がっているのならばそれはこいつの世界が優しく回っているということだ。  爆豪がずっと幼い頃、様々なトロフィーを抱えながらも「最後に必ず勝つヒーロー」への道だけを選んだように、轟はこれから多くの道を見て自分の居場所を選ぶのだ。ヒーローの軸と、それ以外の自分。きっと轟ならどこにだって見つけられるだろう。 「まぁせいぜいわき見でもよそ見でもして好きなとこ行けや」 「そうだな。新しいもんに興味持つのって意外と難しいんだ。コツがいる気がする」 「あっそ」

(8/9)

1 year ago 0 0 1 0