岩代太郎:全作編曲
『FANTASY ON THE ROAD』(1992)
《MUSICIANS》
河井英里、岩代太郎(vocal)
松下誠(electric guitar)
安田裕美(acoustic guitar)
鈴木明男(alto sax)
石田裕美(soprano sax)
長谷部徹(drums)
木村誠(percussions)
西川八重、岩戸由紀子(violins)
八木伸郎(harmonica)
岩代太郎(acoustic piano & synthesizer-operation)
録音:1991年11月-12月
Posts by 糸田屯
『アルファ波分析による受験生のためのバイオミュージック』(1991) 1991年10月25日 SRCL-2185
『アルファ波分析による受験生のためのバイオミュージック』曲目
『アルファ波分析による受験生のためのバイオミュージック』(1991)
バイオミュージックシリーズは一時期に多くのCDが出たが、本盤には現代音楽作曲家の鈴木行一、菅野由弘(『天使のたまご』のサントラでも著名)、そして劇伴作曲家として本格的にデビューする前の岩代太郎(!)の楽曲が収録されている。岩代氏作曲・演奏の「勉強の合い間に」はクロスオーバー系インストとしてもすこぶる素晴らしく、終始エモーションを掻き立てまくるので勉強どころではなくなる。曲名の妙。
1992年ごろに住友ゴム工業の販促物として出回った、長距離ドライヴ用BGM9曲入り非売品CD『FANTASY ON THE ROAD』【TGCS-99】
活動最初期の岩代太郎が全作編曲を手がけた知る人ぞ知る一枚で、氏が1曲提供した『アルファ波分析による受験生のためのバイオミュージック』(1991)から続く流れがある。
レゲエやレイヴのエッセンスを一部楽曲で交えつつ、パット・メセニー・グループに通じるようなクロスオーヴァー・スタイルはこの時点でほぼ固まっており、ある意味「0thソロアルバム」といえる趣がある。河井英里のヴォーカリーズで幕開けする「地平線の物語」など、あまりにもエバーグリーン。
「はてなダイアリーの頃は熱にうかされていたので書き散らした先からガシガシ更新していたんだけど、今は書くのも手直しするのもやたら時間を喰うというありさまで、情報化社会についていけてない感バリバリなので水槽に脳味噌を浮かべるしかない」
などとのたまっていたのが2014年12月。干支が一周したいまも水槽に脳味噌を浮かべることを考えている。なにも成長していない。アガリのはるか手前でフリダシに戻るスゴロク行為を繰り返している。それは不毛であり醍醐味でもある。
数十年単位で物事を振り返ることがこのところ増えた。といってもこれは好きでやっていることで、終活しているわけではない。ジェスロ・タル風にいえば「ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる」
自分がブログを始めたのが20年前だった。この20年を整理するのも悪くない頃合いだと思う。といいつつTwitter時代のポストの整理作業はまだ2015年をグルグルしている。
「種も仕掛けもありまくり」「でも 何も出さない」と宣言して人を唖然とさせるマジシャンが出てくる『うめぼしの謎』(三笠山出月)のネタが超大好きなのだが、次の20年はそんな感じで何も出さないかもしれないし、そうでもないかもしれない。
90年代に輸入盤国内流通仕様で出回ったワールドミュージックのコンピレーションアルバム(総輸入元:ミカサ通商)。『タイ ラブソング集』の日本語帯がついた本盤はタイ・フォークの先駆的存在 จรัล มโนเพ็ชร(ジャラン・マノペット)が1977年に発表した1stと2ndアルバムの楽曲を中心にした一枚【MW93(ACD-15010)】
帯にトラックリストらしきものが載っている(曲名の訳というよりは内容紹介に近いような)。やたらと目をひく「タケノコばかり食べさせる女」の原題は「ก้ายง่าว」。Google翻訳だと「馬鹿」だそうだが、もう少し調べてみるとニュアンスとしては「うんざり」といったところか。
イリュージョンのメンバーは黒沢昇(ds)、宗秀治(ba)、エディ・ペイン(g)、渡辺雅二(syn)、井上敦夫(p)、名取茂夫(tp)、阿部剛(sax)、皆川亨(f-hrn)
なつみ海(マリン)、宿谷一(しゅくやはじめ)、デビッド・アンダーソン、イリュージョンは、滝川真子『Dancing Lady』(1985)にも参加している。
www.discogs.com/release/1234...
宿谷氏は80年代後半にダイエー傘下のSound Worldレーベルでディレクターとして活動、蟻プロジェクト『幻想庭園』などに関与している。
www.discogs.com/artist/50569...
『BURNING EYE ミスターシービーに愛をこめて』
徳間ジャパン/JAPAN RECORD【25JAL-10】
1984年10月25日発売
第35回毎日王冠(1984年10月7日)と第90回天皇賞・秋(1984年10月28日)の間に出た、ミスターシービー イメージアルバム。ナレーションは村井國夫。
沢井昭子歌唱の「Love is Make Up」(作詩:なつみ海/作曲:しゅくやはじめ/編曲:宿谷一&デビッド・アンダーソン)は爽やかなディスコファンク。バンド《イリュージョン》による「Burning Eye」(作曲:しゅくやはじめ/編曲:向井寛)はスペクトラム風の秀逸なブラスロック。
『野平祐二とスピードシンボリ その生いたちから栄光のゴールまで』
キングレコード【SKD(H)-101】
1971年発売
日本で発売された競馬ドキュメントレコードでは最初期の一枚。発売元はキングレコードの歌謡曲レーベル「DELUXE」。DELUXEレーベルは馬主としても著名だった歌手の春日八郎(北島三郎に馬主活動をすすめたのも御方)のコンピレーション盤をいくつも出していた。本盤にもインタビュイーの一人として登場する。
『史上最強馬 シンボリルドルフ 栄光の軌跡』
CBS・ソニー【28AG-1019】
1985年11月10日発売
五冠制覇までのドキュメントレコード(カラーピンナップ5枚付)。B面に「五冠の馬にさ緑ゆれる」(作詩:志摩直人/朗読:野平祐二)を収録。なおBGMに「エバー・モア」(アントニオ猪木主演ドキュメンタリー「四角いジャングル・格闘技世界一」(1978)のテーマ)が使用されている。
同時期には日本コロムビアから『その名は皇帝 シンボリルドルフ栄光の蹄跡』【AX-7428】が出ている。そちらのほうが希少盤かもしれない。
ndlsearch.ndl.go.jp/books/R10000...
読みたかった岡部幸雄『ルドルフの背』復刻版、入手即読。全章通して静かなる熱がほとばしる語り口で巻を措く能わず。迷文としてよく取りざたされる「スキンシップは手のひらでする」の一連のくだりも、主戦騎手なればこそ表現できる小気味良さと生々しさで納得感がある。本当にいい文だと思う。
リバーシブル・ビートのマキシシングルに併録されている計4トラックの「留守電コメント」はKORN(ブラザー・コーン)、椎名桔平、仲間由紀恵、古田新太、窪塚洋介、多田木亮佑(堤幸彦・友人)、IZAM、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、朝妻一郎、鴻上尚史、すず子(堤幸彦)、植田博樹、長坂信人といったゆかりのある面々がダメ出しコメントを送るという身もフタもない趣向。ザ・堤幸彦としかいいようがない珍盤たらしめている。
紙幅の都合で少ししか触れなかったが、堤幸彦、見岳章(ex.一風堂)、犬山イヌコの3人による、知る人ぞ知る短期間音楽ユニット、リバーシブル・ビートは興味をひく存在である。
「金田一少年の事件簿」(初代ドラマ版)のタイトルテーマ「bicycle ride」が見岳・堤の共作曲だというのは案外知られていないように思うのだが、本ユニットはその発展形といえる。
2001年発表の唯一のCDは映画「溺れる魚」の挿入曲「BONZO」「モモンガ2001」と、「Jam Films」の堤幸彦監督作「HIJIKI」のEDテーマ「宅配天使」を収録。「BONZO」はZINGIのMC仁義&凱が参加したヘヴィ・ロック曲。
【お知らせ】
2月25日発売のミステリマガジン2026年4月号(表紙は山田章博氏)
www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000...
特集「わたしの愛する名探偵」内に糸田屯連載コラム「ミステリ・ディスク道を往く」第42回が掲載されています。
今回は「金田一少年の事件簿」などの見岳章氏、「TRICꓘ」などの辻陽氏、二人のサントラワークスにクローズアップしています。
『せんせいのお時間』ラジオドラマCD3時間目から24時間目まで監督を務めた藤岡央(ふじおかひろし/Piropi)氏は元CUBEのクリエイターである。『デビル・クラッシュ/エイリアン・クラッシュ』『ブルーアルマナック』『ラングリッサー 光輝の末裔』などのゲーム音楽CDの共同ディレクターを務められたのも氏である。
vgmdb.net/artist/790
『せんせいのお時間』の頃は同CD制作元であるpurple hills recordに在籍。南央美や山本麻里安の楽曲制作やアルバムのプロデュースも手がけられていた。
1999年から2004年にかけて24枚にわたってリリースされた『せんせいのお時間』ラジオドラマ版CDが全てそろう。漫画あるいは小説作品でドラマCDが20枚出ているのは本作と『三千世界の鴉を殺し』(2023年に20枚目が出た)のほかにあるのだろうか。
最初期は脚本に原作者のももせたまみ氏、作詞家の木本慶子氏、ティータムカードやコズミックレイのスタッフが名を連ねていたが、スタジオオルフェ(第1巻・第2巻のボーナスエピソードなどは倉田英之氏の脚本)や、ぶらざあのっぽの面々がやがて多くのエピソードを手がけるようになる。最多担当者は白根秀樹氏。
【訂正】『Long Size』はNSF-715ではなく「NSC-715」です(以前も同様の間違いをしていた......)
これがハードオフの店内BGM(SC-1903)の7インチシングル。機を逃さず入手。
Nash Music Libraryが1998年に世に送りだしたマスターピース。9曲入りアルバム『Long Size』(NSF-715)に収録された同曲が四半世紀以上を経てシングルカットされ公式アナログリリース成る。B面は島村仁の店内アナウンス入りバージョン。
Nash Music Libraryについては当アカウントの1年くらい前のポストも参照いただけたら幸い。
2025年を通して大いに駆動力になったのが少し前のポストに挙げた12作のアルバムであり、3作のゲーム音楽サントラでした。『Clair Obscur: Expedition 33』でゲーム音楽家デビューしたロリアン・テスタール(Lorien Testard)は「継続は力なり」を地で行く形でとんでもないサウンドトラックを作ってしまった。すごい人が出てきたなと思う。
clairobscurexpedition33.bandcamp.com/album/clair-...
2024年11月に『海外ゲーム音楽ガイドブック』が刊行されてからさほど間を置かずに別冊ele-king『ゲーム音楽の最前線』の執筆参加や『渡辺信一郎のめくるめく世界』の制作協力などに取り組み、燃え尽きたとまではいかないにしてもガス欠に近いような感じになり、2025年下半期はほとんど充電状態だった。己の燃費の悪さをあらためて実感してしまうのだけど、書いたものに妥協は一切していないので、ご一読いただければ幸い。
リアルサウンド テックに寄稿した『パンツァードラグーン』の歴史・音楽的系譜について書いたコラムは数年以上かけて形にした一本です。
realsound.jp/tech/2025/03...
ゲーム音楽ディスクステーション「2025年ベストアルバム」
jp.ign.com/games/82148/...
私は下記3タイトルのサウンドトラックを紹介しています。
コラムを3本書く感じで臨みました。ご一読いただけましたら幸いです。
■ロリアン・テスタール(Lorien Testard)
『Clair Obscur: Expedition 33』
■Osamu Kubota(久保田修)
『パーリィナイトメア Parry Nightmare』
■舟沢虫雄
『ミスターエレベーター MR.ELEVATOR』
#gamemusic
#VGM
【お知らせ】
IGN JAPAN「ゲーム音楽ディスクステーション」第18回が公開されました。
jp.ign.com/games/82148/...
『ゲーム音楽ディスクガイド』執筆陣による2025年ベストアルバムセレクションです。
▼執筆者(掲載順)
hally/市村圭/糸田屯/スイソ/DJフクタケ/井上尚昭
#gamemusic
#VGM
【2025年ベストアルバム】(3/3)
■A.C.T.『Eternal Winter』
actworld.se
■Arti & Mestieri『D-Brane』
kingeshop.jp/shop/g/gKICP...
■石垣翔大『月の裏に花が降る』
shotaisgk.official.ec/p/00002
■Fadhil Indra『Progpaganda』
diskunion.net/progre/ct/de...
【2025年ベストアルバム】(2/3)
■八十八ヶ所巡礼『八+九』
music.apple.com/jp/album/%E5...
■日食なつこ『銀化』
nisshoku-natsuko.com/iridescence-...
■FAIRYLAND『The Story Remains』
www.frontiers.it/album/6046
■Cocojoey『STARS』
cocojoey.bandcamp.com/album/stars
【2025年ベストアルバム】(1/3)
■EVERON『Shells』
everonprog.bandcamp.com/album/shells
■Michel Polnareff『Un temps pour elles』
music.apple.com/jp/album/un-...
■BLOODYWOOD『Nu Delhi』
bloodywood.bandcamp.com/album/nu-delhi
■GHOST『Skeletá』
ghost.bandcamp.com/album/skelet
▼2025年個人的ベストアルバム12選
EVERON『Shells』
Michel Polnareff『Un temps pour elles』
BLOODYWOOD『Nu Delhi』
GHOST『Skeletá』
八十八ヶ所巡礼『八+九』
日食なつこ『銀化』
FAIRYLAND『The Story Remains』
Cocojoey『STARS』
A.C.T.『Eternal Winter』
Arti & Mestieri『D-Brane』
石垣翔大『月の裏に花が降る』
Fadhil Indra『Progpaganda』
FURRの興味深いトピック。唯一作『Furr』(1977)に収録されている「Wow Yeah」「Goin' Down The Road」の作曲に10㏄のグレアム・グールドマンが関与している(ジェフ・カッツ、ジェリー・カセネッツとの連名)。グレアムの公式サイト、Discographyの「1977」の項に記載がある。
www.grahamgouldman.info/discography
グレアムは60年代末から70年代初頭にかけてジェフとジェリーが主宰するSuper K Productionsの仕事もしていたので、その時期に制作された曲のストックがアルバムにあてがわれたのではないかと思われる。
KISSの二匹目のドジョウを目論んだキワモノ、FURR。メンバーはジェフ・ウッズ、ジョージ・ブルース、ロバート・シルヴェスター、ジョン・ガンナーとあるが、おそらく4人とも実在しない。1977年にMagna-Glideレーベルからアルバムを一枚出して消えた。
historysdumpster.blogspot.com/2015/09/furr...
数々のバブルガム・ポップを生み出したジェフ・カッツとジェリー・カセネッツがアルバムプロデュースでクレジットされている(J. Katz、J. Kasenetz)ので、スタジオプロジェクトだったのだろうと推測される。
Arti & Mestieriが並行宇宙をテーマに織り込んだ『Universi Paralleli』(2015)を聴いたときは、なんというマスターストローク、これを超えるものはもう出てこないのではと思ったのだけど
camelletgo.blogspot.com/2015/07/arti...
10年ぶりの新作『D-Brane』で再び驚嘆させられた。恐れ入谷の鬼子母神もとい鬼神フリオ・キリコ。地中海から宇宙の深遠に至る超次元的ヴィジョンを拡大し、歴代メンバー結集のもと前作越えと破格の集大成をやってのけてしまった。ボルヘスが示したアレフのごときアルバム。このうえなく老練で、このうえなく瑞々しい。