Posts by trushbasket
寒朝辭家
小閣衾中欲起難
朝朝日日覺彌寒
出門呼氣如煙白
露結汽車窓上繁
家出でて 息の白さに 驚けり
車の窓は 露繁きかな
歲暮望月
日日坐知冬氣新
地爐無火苦寒呻
三更遙見南天暗
唯有煌煌月一輪
年は暮れ 日毎に冬の 来たるをば 覚ゆる中に 光る望月
初冬夕暮
夕暮外窓朝露殘
坐聞孤雁一聲嘆
遙望山上低雲黑
獨步荒村歸路寒
黄昏の 露なお残る 山道に
寒さ嘆くや かりがねの声
歲末車站
寒宵車站雪雲低
雜踏前途何處迷
常滿行人新幹線
往來南北亦東西
年の瀬は 停車場に人 満ち満ちて 遠近へ行く 様ぞゆかしき
車站雪雲低
雜踏前途何處迷
往來東亦西
晚秋櫻林
昨今身懶起些難
朝夕山行徑漸寒
休道櫻林是花耳
晚秋霜葉亦奇觀
桜木は 花もよけれど 秋もまた
めでたからずや もみじせる葉よ
晚秋曉寒
鬧鐘鳴了起扉開
自覺晚秋寒氣來
坐見汽車窓結露
曉風疑是則冬魁
自家用車 フロントガラス 露に満つ 暁寒し 冬の兆しか
歲末偶成
偶聽天街聖誕歌
四方紅綠飾裝多
黃昏獨愧無功老
自覺一年還欲過
街行けば クリスマスなり 今年また 為すこともなく 過ぎにけるかな
天街聖誕歌
四方紅綠裝飾多
一年復空過
龕前祭詩
歲暮多忙裡
苦吟詩一編
遙思塵外客
遠憶酒中仙
七步無佳句
三歎非古賢
推敲經日後
除夜祭龕前
年の瀬の 忙しき日々に
え笑ひそ 歌を憶へり
むゆたりの 聖偲びつ
みはしらの 神に捧げん
筆取りて 三十一文字を
詠まばやと 勇みたれども
言の葉は などか湧かざる
腰折れは などか成らざる
ひねもすに 頭捻りて
もしほぐさ 刈り込みてのち
つごもりの 夜も更けしころ
遂に捧げり
反歌
年の瀬に 三十一文字を 三柱の
神に捧げり 刈り込みの末
歳末偶成
偶見黄昏救世軍
綿綿募志語慇懃
得知今歳還将去
聖誕歌聲城裏聞
街角に 募金の声と 讃美歌と
はや今年また 過ぎんとすらん
江村暮雪 題詠
漁村風冷冷
夕暮雪霏霏
鳥搏來枯樹
波荒到釣磯
孤船添弱纜
空屋鎖柴扉
乳白途何處
倉皇行客歸
すなどりの 村はわびしく
風寒く 雪は降り敷く
鳥一羽 枯れ枝に来て
荒波は 磯に押し寄す
船一つ 結ぶともづな
弱くして 留め得るにや
荒屋に 今は人なく
その扉 毀ちたるらし
行く道は いずくなるらん
白雪が 埋めたるらし
旅人は 急ぎ蓑着て
先を急げり
反歌
見渡せば 舟は主なく 留まれり
浦の苫屋の 雪の夕暮
晚秋雨暮
晚秋窓外雨霏霏
河畔荒村人影稀
松籟蕭蕭雲暗暗
家家處處鎖寒扉
秋雨に 冷たさまさる 夕まぐれ
河辺の里を 行く人もなし
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洛城秋暮
暮雨蕭蕭蛤御門
無人寂寂古宮垣
濃紅霜葉庭池錦
禁裏秋深天已昏
秋深し かしこきあたり 彩るは
紅に染む 散りし紅葉葉
歸宅途上
歸宅黃昏遠路程
朔風蕭颯獨山行
林無霜葉無飛鳥
坐覺秋過寂寂情
山行けど 雁も紅葉も なかりけり 秋過ぎぬらし 里の夕暮れ
黃昏遠路程
朔風蕭颯獨山行
秋過寂寂情
晚秋寒村
晚秋連日雨頻頻
山郭水村寒氣新
鳴鹿呦呦蟲切切
哀聲處處惱行人
雨しげく 寒さのまさる 山路に
なほ嘆けとや さおしかの声
萬聖節
夕暮歸途寒氣加
驚看商店飾南瓜
化裝千客喧騷裡
橙黑天街彩似花
橙と 黒に彩る 街中に
装ひ換えし 人々の群れ
秋宵偶成
人生坐憶事綿綿
屑屑空過已幾年
畢竟秋宵一炊夢
不如時暫樂沈眠
ももとせは 一夜の夢か よしさらば 楽しまんにや 深き眠りを
林亭落葉
坐看斜石徑
亭上覺秋陰
冷冷蒼池水
蕭蕭楓樹林
如花霜葉色
似曲草蟲音
追憶樊川子
風流句意深
山路を 登り来たりて
あずまやに 暫し憩はん
秋の空 曇りたるらし
池水は 青く冷たげ
楓なる 林しずけし
紅葉葉は 花の如くに
くれないを 競ひ彩る
虫の声 笛の音に似て
叢の うちに奏でる
かかるさま 見るにつけても
もろこしの ふみびと思ひ
その詩(うた)の こころを偲ぶ
かれ宜なりと
反歌
紅葉葉が 花の如くに 綾なすを
見てもろこしの 詩(うた)を偲べり
十月偶成
朝夕枕頭寒氣微
聞蟲亦見雁南飛
何知白晝猶殘暑
午步天街汗濕衣
この頃は 朝と夕べの 涼しさに
昼の暑さを 忘れもぞする
山林拾栗 題詠
暮山無過客
寂寂雁聲虛
梧葉飛林裡
西風搖岸藘
逍遙來里落
漫步到吾居
膳食應華麗
歸途栗十餘
秋の暮 山に人なし
聞こゆるは ただ雁の声
桐の葉は 風に舞ひたり
西の風 葦を揺らせり
歩み来て 里に到れり
片隅に 我が庵はあり
夕餉ちと 豊かなるべし
道すがら 栗を拾えり
いざ煮炊きせん
反歌 山道を 歩みて拾う 栗の実は 今宵の糧ぞ 秋の楽しみ
旅中觀月 題詠
客心秋興起
暫忘世埃塵
梧葉風前夥
蟲聲叢裡頻
未知朝露冷
初覺夜涼新
地上多流轉
依然月一輪
旅の空 秋を覚えぬ
世の塵を 暫し忘れん
秋風に 桐の葉は舞ひ
くさむらに 虫の音繁し
朝露の 冷たさ覚え
夜の風 涼しきを知る
人の世は あまた変われど
望月は さながらにして
世を照らすなり
反歌
憂世をば 今は忘れん 旅の空
昔ながらの 秋の夜の月
山林拾栗 題詠
蕭颯西風搖岸藘
山林漫步到吾居
今宵膳食應華麗
得拾歸途栗十餘
この宵は 夕餉いささか 豊かなり 栗拾いたり 山を歩きつ
忙中知秋
事多初覺夜將長
小暇隔窓觀月光
猶在殘炎秋氣顯
歸途誘我桂花香
帰り道 金木犀の 香を嗅ぎて
暑き中にも 秋を知るかな
初覺夜將長
小暇隔窓觀月光
誘我桂花香
残暑覺秋
小暇坐看天暗昏
三更明月照南軒
蟲鳴桐落荒叢裡
今日非秋唯氣溫
暑さなお あめつち覆う 日々なれど 虫鳴き月も 秋を告げたり
蟲鳴荒庭昏
三更明月照南軒
非秋唯氣溫
雨夕殘炎
夕暮炎蒸雲俄生
天昏窓外遠雷鳴
一時降雨涼來否
秋氣未知河畔城
雷を 遠く聞きたり 一雨が
暑さ少しは 緩めるやらん
九月十五夜
不覺忙中汗亦新
殘炎滿室坐呻吟
南天仰見知秋到
夜半煌煌月一輪
暑さ猶 衰えぬ中 秋告ぐは
昔ながらの 夜半の望月