印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 付記に「紫煙を交わす」、「@nanaki-s.bsky.social」と記載されています。 画像情報:generated by 文庫ページメーカー / ユーザーアップロード画像 / フォント:源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 煙草を挟む指。 細い棒を、薄く開いた唇が咥える。 ゆっくりと、胸が膨らんで。 煙草を離した唇から、細く紫煙が伸びる。 天に昇っていくそれを見つめる、感情の薄い似せ紫の瞳。 長めの似せ紫の髪が、風に遊ばれて揺れる。 美しい日本庭園と池掘りを臨む縁側で、静かに佇む洋服姿の男は、すらりとして、綺麗。 その立ち姿は、まるで水辺で寛ぐ美しい馬のよう。 紫水は足音を立てず、ゆっくりと男に……輝夜に近づいた。 近づく主の存在に気付いている輝夜は、しかし一向にこちらを見ない。 静かに紫煙を燻らせて、待っている。 紫水は敢えて声をかけず、唇に挟まれた煙草に手を伸ばした。 二本の指で挟んで、引き抜く。 煙を吐き出そうと微かに動いた唇に、素早く唇を重ねて。
薄く開いたそこから、煙草の煙と一緒に吐息を吸う。 バニラのように甘い香りが肺に薄く満ちて、わずかに痺れる。 甘くて苦い、輝夜の味。 煙だけではもの足りないと、紫水は舌を差し込んで口内を蹂躙した。 輝夜も吝かではないらしく、それに乗ってキスを深くする。 「……ん、……」 褥を連想させる、濃厚な口づけ。 肺を満たしていた紫煙も、キスの合間に溶けて消える。 透明な糸を引いて離れた二人は、互いに笑みを浮かべながら濡れた唇を舐めた。 「積極的やな」 愉快そうに笑う輝夜に、紫水は答えず煙草を咥える。 間接キス。 甘く、不思議な味のする煙草を、躊躇わず肺に入れる。 清廉潔白で大人しそうな紫水が煙草を吸う様は、まるでイケナイことをさせているような気がして、背徳感に胸が疼く。
じっと見つめる輝夜の視線に、煽り笑うように視線を絡め、紫水は煙草を唇から離した。 そして、笑みを刷いた唇から細く息を吐いて、愛しい獣に煙をかける。 挑発。 ついでのように、繋がったマナを軽く揺らしてやると、ひくん、と輝夜の体が震えた。 その反応がかわいらしくて、紫水は無言で笑う。 初めてでもないだろうに、敏感な事だ、と。 「……」 面白くないのは、輝夜だ。 自分を調伏した主とはいえ、相手は幼いころから可愛がっていた年下の男。 そのうえ、持ち前の高いプライドをこれでもかと刺激されて、不機嫌に片眉をあげた。 当然、このまま黙ってなどいない。 紫水の指に挟まれたままの煙草に、顔を寄せて口を付ける。
煙を深く吸って、離して。 一拍の後、可愛くも生意気な姪孫の顔に、お返しのようにかける。 少し驚いた主人の顔に留飲を下げて、してやったりという顔を見せた輝夜に、紫水は静かに獰猛な笑みを浮かべた。 「わるい子やなぁ」 囁くように詰りながら、仕置きのようにマナを先ほどより強く揺らし、輝夜の熱を無理やり引きずり出す。 快感の糸を、唐突に揺らされる衝撃。 膝を付くことは避けたが、それでも息を詰めて動きを止めた輝夜の顎を、紫水の指が捉えて擽る。 主を睨む似せ紫の瞳は、薄く煙って可愛いばかり。 「、…、卑怯や」 「いやか?」 「……」 返事は、沈黙。
キスの絵はなかったけど、小話ならあったので…。
小説のタグ参加不可なら消しますのでいってくだせえ(><)
離反した輝夜様を連れ戻した後の話。
※BLです
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